昨年の秋の終わりに、保護施設『スーパーヒーロー・アニマル・レスキュー』の元に、ある施設のポーチに子猫達が入った箱が置かれているという連絡が入りました。
「その日はとても寒かったため、早急に子猫達を助けに向かう必要がありました。私達のところに連絡をしてきた人達は、私達が現場に着くまで待っていてくれて、子猫達の保護を手伝ってくれました」と保護施設のスタッフが言いました。
子猫達は非常に体調が悪く、いくつかの健康問題を抱えている可能性がありました。その後、スタッフ達は獣医さんの力を借りながら子猫達の治療を続けましたが、残念なことに生き残ったのは『タッカー』と名づけられた灰色の子猫だけでした。
「タッカーは子猫達の中で一番大きく、鳴き声も最も大きな子猫でした。彼の大きな鳴き声は、隣の家の住人にも十分に聞こえるほどでした」と養育ボランティアのシンディー・コンドンさんが言いました。
タッカーはまだ小さな身体をしていましたが、大きな声と生きようとする強い意志を持っていました。
シンディーさんは細心の注意を払いながらタッカーの世話を続けました。するとタッカーは確実に体調を回復させていき、徐々に元気を取り戻していったのです。
こうして無事に危険な時期を乗り越えたタッカーには、一緒に遊んでくれる友達の存在が必要でした。
「他の子猫と一緒に育てられた子猫は、力の加減を身につけることができます。それは人間と一緒に暮らしていくためにも非常にも重要なことです。」
そんな中、『ローワン』という名前の茶トラの子猫が友達を必要としていました。ローワンは里親候補の家にトライアルに行きましたが上手くいかず、再び養育主さんの元へと戻ってきていたのです。
シンディーさんはタッカーの健康問題がクリアになると、早速ふたりを会わせてみました。
ローワンはタッカーよりも約1ヶ月年上で、同い年の兄弟と活発に遊ぶことに慣れていました。一方のタッカーはまだ遊び方を勉強している最中で、明らかにローワンとの間に力の差がありました。そのためシンディーさんはしばらくの間、ローワンの相手を飼い猫の『リジー』にしてもらうことにしました。ローワンはリジーのおかげで全力で遊ぶことができ、上手くエネルギーを発散させることができました。
その後、タッカーのエネルギーとスタミナが、ローワンと釣り合うくらいのレベルになると、ふたりは子猫部屋で一緒に眠るようになり、徐々に強い絆を築いていきました。
「私が毎朝子猫部屋に入ると、ふたりはいつも同じベッドで丸くなっていて、ご飯の時も同じお皿を共有しています。さらにふたりはお互いのことを毛づくろいするようになり、何をする時も一緒に行動するようになりました。」
ローワンはタッカーに毛づくろいの技術を教え、タッカーはローワンの顔や耳を舐めて、いつも愛情を返していました。またふたりはオモチャを共有し、シンディーさんの膝の上を一緒に分かち合いました。
その後、ふたりが里子に出られるようになった時、シンディーさんはふたりが同じ家に行くことを強く望みました。
するとシンディーさんの願いが通じたのか、ふたりを一緒に引き取りたいという家族が現れたのです。家族は車を長時間走らせて、クリスマス休暇に間に合うようにふたりを迎えにやって来ました。
「時々、物事は考えていたよりも非常に上手くいく時があります。私はふたりを一緒に送り出すことができて、心から幸せを感じています」とシンディーさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして別々の場所で保護されたタッカーとローワンは、シンディーさんの家で素敵な絆を築き、同じ里親さんの元で暮らし始めることができました。ふたりは新しい家でもお互いに愛情を注ぎ合いながら、いつまでも幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:foster_kittens/lovemeow