猫の『シャーマン』は迷子の子猫として、食べ物を探し求めている時に発見されました。その後、発見者によって保護されたシャーマンは地元の保護施設『キティー・シティー・カンザス・レスキュー』へと運ばれました。
ちょうどそれと同じ頃、以前この施設から猫の『チャンス』を引き取った夫婦が、チャンスの友達になってくる子猫を探していました。チャンスは9歳の時に元の飼い主さんが亡くなったため、保護施設へとやって来た猫でした。施設のスタッフ達は先の見えない状態からチャンスを救い、それから1年間養育を続け、夫婦の元へと送り出しました。
「チャンスは最初の3ヶ月間ずっと物陰に隠れ続け、なかなか私達の家に馴染みませんでした。そのためチャンスを世話していた養育主さんに助言を求めると、チャンスが子猫を非常に愛していることを教えてくれました」と夫婦が言いました。
それから2週間も経たないうちに、夫婦は施設のスタッフからシャーマンという甘い子猫がやって来たことを教えてもらいました。
「シャーマンは廃車の下でドッグフードを食べているところを発見されました。私は躊躇することなくシャーマンを家族に迎えることに決めましたが、夫は少し躊躇しているようでした。でも夫が週末に保護施設を訪れると、一瞬でシャーマンのことが好きになりました。」
大きくて丸い目をしたシャーマンは、最初から人間好きの子猫でした。シャーマンはすぐに夫婦に寄り添って、抱っこを求めてきました。
その後、夫婦と一緒に家に帰ったシャーマンでしたが、この時はまだ路上で暮らしていた頃の習慣が残っていました。
しばらくの間、シャーマンはチャンスがあるとすぐにゴミ箱で食べ物を探しました。シャーマンは自動のフタを開ける方法を見つけ、夫婦のことを驚かせました。またシャーマンは夫婦の夕食のお皿から、何度もご飯をこっそりと盗もうとしました。
まだ以前の習慣が残っていたシャーマンでしたが、すぐに人間のお父さんとハグ仲間になりました。到着から僅か2日ほどで、シャーマンは完全にお父さんの心をとりこにしたのです。
「シャーマンは夫の隣に90%の確率で隠れています。彼は夫がギターを弾いている時は肩の上に座り、テレビゲームをしている時は膝の上に座っています。」
シャーマンは毎晩夫婦の就寝前に抱っこをおねだりして、夫婦に決して「ノー」とは言わせませんでした。そんな甘えん坊のシャーマンの一番のお気に入りは、先住猫のチャンスと一緒に過ごすことでした。
シャーマンとチャンスが初めて会った時、チャンスはすぐにシャーマンを迎え入れてグルーミングを始めました。そして、今まで物陰で過ごすことの多かったチャンスは、シャーマンがいることに安心し、すぐに元気を取り戻したのです。チャンスは家の中でリラックスするようになり、物陰に隠れることは無くなりました。
「ふたりは最初の日に結ばれて、それ以来切り離せない存在になりました。偶然ドアが閉まって離ればなれになると、ふたりはお互いに何が起こっているかを理解するまで鳴き続けます。」
ふたりは夫婦と寄り添う時間を含め、全てのことをチームで行います。シャーマンがお父さんに寄り添っている時も、チャンスは弟を守るために、いつもそばで過ごしているのです。
「シャーマンは最高にハグ好きで、赤ん坊のように抱っこされるのが大好きです。彼はいつも目を大きくしながらおねだりしてきて、オヤツが欲しい時は小さな声で鳴いてきます。」
シャーマンのおねだりはとっても愛らしく、夫婦はついつい言うことを聞いてしまうそうです。
シャーマンは現在3歳で、身体も随分と大きくなりましたが、心の中はいつまでも変わりません。シャーマンは夫婦やチャンスのことを愛していて、顔にはいつも微笑みをたたえているのです。
「シャーマンはこの3年間、言葉では言い表せないほど私達の生活を豊かにしました」と夫婦は嬉しそうに話してくれました。
こうして迷子になっていたシャーマンは、新しい家で最高の家族に出会うことができました。これからもシャーマンはその大きな瞳でたくさんのおねだりをしながら、何不自由ない生活を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:sherman_doing_things/lovemeow