人生に、もふもふを。

子猫サイズで成長が止まった猫。優しい男性に助け出され、保護施設で暮らすまでの物語に胸が熱くなる

0

今から2年前。ニュージーランドのロワーハットにある動物保護団体『Kitten Inn』に1匹の子猫が連れて来られました。

それは午前3時のことでした。自宅を保護施設にしていたスーザン・マクネアさん(保護団体の創始者)は、玄関をノックする音で目を覚ましました。「こんな時間に誰かしら」と不審に思いながら玄関を開けると、そこには全身にタトゥーを入れ、顔がヒゲで覆われ、汚れた服を着た大きな男性が立っていたのです。

思わず身構えるスーザンさんに、「あなたの助けが必要だ」と男性は話しかけてきました。そして、男性はジャケットの中から、とても小さな子猫を取り出したのです。

スーザンさんは男性に事情を聞きました。男性はその夜、あるパーティーに出席していたのですが、そこで数人の若い女性達が子猫を次々と手渡しながら、面白がってイタズラしているところを目撃したそうです。男性には女性達がやっていることが許せませんでした。男性はすぐに女性達の手から子猫を救い出すと、スーザンさんのところへと急いだのです。

持たれる子猫出典:KittenInn

スーザンさんは男性に子猫の名前を聞きました。しかし男性は、心無い人達がつけた名前を教えたくないと言い、最後まで子猫の名前を言わなかったそうです。

男性は子猫の話をしながら、こみ上げてきた感情を抑えきれなくなり、涙を流しました。

あまり裕福ではなかった男性ですが、子猫の助けになればと100ドルをスーザンさんに渡して、自分の名前も名乗らずに帰っていったそうです。

男性の話をスーザンさんから聞いた施設のスタッフは、子猫に『ハーレー』と名づけ、男性ことを『ハーレーの天使』と呼ぶようになりました。

その後、ハーレーは子育て中の保護猫に育てられることになりました。数週間後には保護猫の子供達は大きく成長しましたが、なぜかハーレーはほとんど成長していませんでした。しかし、ハーレーはとても健康的で、いつもお母さん代わりの保護猫に抱擁を求めてきたそうです。

猫達出典:KittenInn

ある日のこと、ハーレーは人間に抱きしめられることに喜びを感じました。その日以来、ハーレーはいつもスタッフにくっついて離れなくなったそうです。

ハーレーは生後10週でようやく体重が320gになりました。この年齢の平均体重は1kgほどなので、ハーレーの小ささがよく分かります。

ハーレーは保護施設で暮らす先住猫と仲良くなりました。とても優しい先住猫は、ハーレーの世話を快く引き受けてくれたそうです。

まるで親子のようになったハーレーと先住猫は、スタッフ達に可愛い姿をたくさん見せてくれました。

生後6ヶ月になったハーレーですが、生後9週の子猫よりも小さい身体をしています。なぜハーレーが成長しないのかは、分かっていないそうです。

現在、2歳になったハーレーの体重は1.3kgで、生後12週の子猫のサイズだそうです。

そんな小さなハーレーですが、その心はとても大きく、いつもスーザンさんを愛情いっぱいに包み込んでくれるそうです。

ハーレーは心優しい男性のおかげで、今ここにいます。きっとハーレーは心のどこかで、救ってくれた男性のことを、いつまでも覚えていることでしょう。

この猫の記事を友達にシェアしよう