イギリスにあるガーンジー島の聖サンプソン教会の墓地に『バーニー』という名前の猫が住んでいました。
バーニーは20年以上に渡り、墓地を訪れる人の悲しみを癒してきました。しかし、2月26日に老衰のため天国へと旅立ったのです。
バーニーの死は教会のスタッフや住民、そして今までバーニーに救われてきた多くの人々に深い悲しみを与えました。
バーニーといっしょに墓守をしてきたアラン・カーゾンさんは、バーニーの死に「我が子を失ったようだ」と話します。
さらにカーゾンさんは続けます。「私は1995年に、ここで働き始めました。バーニーは墓地の隣の家で1996年に生まれました。しかし、その3年後に隣の家の住人は2kmほど離れた場所に引っ越すことになったのです。バーニーも新しい家に行ったのですが、墓地から離れたくなかったようで、ひとりで戻ってきました。私たちは、そんなバーニーのために家を作ってあげました。」
「バーニーは墓地へ来る全ての人から愛されていました。埋葬時には、参列者に挨拶をして回り、ゲートで参列者を見送りました。そして参列者が墓石の前に花を置くように、バーニーは前足で墓石をなでていたのです。」
近くの住人達は、バーニーの死を地元の新聞で知りました。そして何百人もの人がバーニーに敬意を払って、追悼のメッセージを寄せたのです。
「バーニーは本当に多くの人に愛されていました。そして、バーニーは全ての人を愛していました。」と、カーゾンさんは言います。
「バーニーの暮らしに不自由はなかったと思います。みんなに愛されていたバーニーは、少し甘やかされて育ったかもしれません。バーニーは墓地に来る人から、たくさんのプレゼントをもらっていました。寒い時には、ホットカーペットや湯たんぽなどで温まっていましたし、オモチャのプレゼントもありました。」
「バーニーは人の気持ちが分かっていたように思います。お墓の前で悲しむ人に寄り添う姿を、数えきれないほど見てきました。」
バーニーは今、大好きだった墓地で眠っています。バーニーの眠る場所には、バーニーの名前が記されたプレートとベンチが置かれることになりました。
バーニーはいつまでも天国から墓地を見守り続けることでしょう。そして、この墓地で眠る人たちといっしょに、天国で幸せに暮らしていくことでしょう。
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