ラスベガスの明るい光の下にある地下トンネルに住むホームレスの男性が、2匹の若い猫を引き取って、出来る限りの世話をしていました。
2匹のうちの1匹は5匹の子猫を出産したばかりで、もう1匹はまだ妊娠中でした。男性は可能な限り手を尽くし、猫達を安全な状態に保ち、ご飯を食べさせていました。「男性は猫達のことを深く愛していましたが、彼らにふさわしい人生を与えることができないことを知っていました」と保護団体『ホームワード・バウンド・キャット・アダプションズ』のスタッフが言いました。
これまで20年以上にわたって地域猫の保護活動を行い、恵まれない猫愛好家やホームレスの猫愛好家との信頼関係を築いてきた女性が、地下トンネルの男性から助けを求めるメッセージを受け取りました。そして女性は保護団体の元に連絡をしました。
その時点で妊娠していた猫は既に子猫達を出産していて、母猫達は安心して子育てができる安全な家を必要としていました。
出典:foster_kitten_tails
「私達はためらうことなく2匹の母猫と11匹の子猫を引き取って、養育主さんの元に連れて行きました。」
養育ボランティアのエレン・リヒターさんは13匹の大切な命を自宅に迎え入れました。そのおかげで猫の親子は初めて、自分達だけの快適な部屋を手に入れることができたのです。そこにはたくさんの柔らかい毛布と無制限の食事、そして子猫達が健康に成長していくために必要なものが全て揃っていました。
「猫の親子は現在、エレンさんの元で安全で愛情に満ちた生活を送っています。子猫達は毎日元気に成長していて、いつも幸せそうに喉をゴロゴロと鳴らしています。地下トンネルの男性の愛情がなければ、猫の親子は決してチャンスを得ることはできませんでした。」
生後僅か8ヶ月の母猫の姉妹は、『リトル・ルー(キジ白猫)』と『ルーシー・ルー(ハチワレ猫)』と名付けられました。
エレンさんの家に到着した時、リトル・ルーは生後約5週間の5匹の子猫達を、ルーシー・ルーは生後約2週間の6匹の子猫達を育てていました。
ルーシー・ルーはお話し好きの性格で、6匹の子猫達と一緒に寝転がりながら、まるで自分の人生の物語を語っているかのようにエレンさんにたくさん話しかけてきました。
リトル・ルーの子猫達は、生まれた日からずっとお母さんのことを心配させてきました。今の子猫達はみんなとっても好奇心が旺盛で、ヨチヨチ歩きで部屋の中を探索して、手が届いたもの全てをオモチャにしたり無邪気に格闘したりしています。
子猫達はいつも楽しそうに転がりながら、最高の時間を過ごしているのです。
エレンさんの元で暮らし始めてから数日後、リトル・ルーの子猫達は新たな節目を迎えました。この日初めてお皿からご飯を食べたのです。またリトル・ルーは快適な家の中にいられることが嬉しくて、エレンさんが部屋に入って来るたびに、そばで丸くなって眠り始めました。
リトル・ルーは次第に子猫達から離れて休憩することが多くなって、一日に何度もエレンさんに愛情を求めるようになりました。
一方のまだ幼い子猫達を育てているルーシー・ルーは、6匹のあらゆる要求に応えています。
「ルーシー・ルーの子猫達は生後17日で、目も開いて這い始めています。彼女はとっても気配りができ、ほとんど子猫達のそばを離れません。そんな彼女の隣に私が座ると、彼女は私の膝の上に登ってきて、ハグをしたりキスをしたりしてきます」とエレンさんが嬉しそうに話してくれました。
多くの優しい人達のおかげでエレンさんの元にやって来た13匹の猫達は、安全な家の中で元気に暮らすことができているのです。
リトル・ルーとルーシー・ルーはこれが最後の子育てになります。ふたりが子育てを終えたらお互いに生涯の家を見つけて、家族の愛情をたくさん受け取りながら、いつまでも穏やかで幸せな毎日を送っていくことでしょう。