保健所で先の見えない日々を送っていた猫の『ベンベン』は、悲しそうな顔で里親さんが現れるのを待っていました。野良猫だったベンベンは大きな動物に襲われてしまったようで、背骨が骨折し、身体にはいくつもの傷があり、片耳が潰れてしまっていました。その姿からベンベンがとても苦しい生活を送っていたのは明らかでした。
そんなベンベンを地元の保護施設が引き取り、里親さんを探してくれることになりました。施設に移ったベンベンが獣医さんに身体を診てもらうと、「これから先歩くことができず、痛みと戦いながら生き続けることになるだろう」と診断されたそうです。
その後もしばらくベンベンの里親探しが続きましたが、結局引き取ってくれる人は現れず、とうとうベンベンは保健所へと戻されてしまったのです。
そして保健所はベンベンの命を終わらせることにしました…
そんな中、動物病院で働いていた女性が、職場でベンベンの話を聞きました。女性はベンベンを助けなければと強く思い、すぐに行動を起こしました。それはベンベンの安楽死が行われる前日のことでした。
女性は急いで保健所へと向かいました。そして、ベンベンを救い出したのです。
保健所に戻された後のベンベンはご飯や水を一切口にせず、移動することもなかったそうです。ベンベンは完全に生きる希望を失っていたのです。
しかし、女性がベンベンを家に迎え入れると全てが変わりました。
ベンベンと一緒に帰宅した女性は、家にいる先住猫と会わせる前に、ベンベンを洗面所へと連れて行きました。そして、1時間ほどふたりで過ごしていると、ベンベンは嬉しそうに喉を鳴らし始め、女性に抱きついてきたのです。それはまるで「助けてくれてありがとう」と言っているかのようでした。
ベンベンは女性の優しさにすっかり心を開きました。そしてベンベンは別猫へと生まれ変わったのです。
ベンベンは家を自分のものだと思うようになり、女性がしていることを知りたがるようになりました。もちろんベンベンは女性が食べているものも気になって仕方がないようです。
獣医さんに二度と歩くことができないと言われたベンベンでしたが、女性と一緒にリハビリを続け、ついに歩くことができるようになりました! さらにベンベンは走れるようになり、少しだけ跳べるようにもなったのです。
そしてベンベンが救出されてから1年以上が経ちました。以前のベンベンを知っている人達は、そのあまりの変化に同じ猫だとは信じられないそうです。
こうして女性の深い愛情がベンベンの悲しい運命を変えました。温かい家の中で幸せそうに過ごすベンベンの姿に思わず胸が熱くなりますね。
出典:benbencatcat/lovemeow