人生に、もふもふを。

熊のような耳の愛らしい保護子猫。生まれた時からの障がいや重い病気にも負けず、強く生きる姿に胸が熱くなる

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ある日、ロサンゼルスの保護施設『フレンズ・フォー・ライフ・レスキュー・ネットワーク』の元に、保護子猫の『クイル』が運ばれてきました。クイルは前足がねじれた状態で生まれた子猫でした。施設に入ったクイルはすぐにハグのとりこになって、いつも誰かの注意を引こうとしてきました。

養育ボランティアをしているメルさんとゼーンさん夫婦は、そんな甘えん坊のクイルの養育を引き受けました。夫婦は毎日、物理療法とマッサージでクイルの前足を矯正し、筋肉を強くするためのトレーニングを続けました。

クイルは毎回素直に治療を受けて、決して不満を言うことはありませんでした。クイルはいつも優しくしてくれる夫婦のことが大好きで、特にゼーンお父さんから離れたくないようでした。

「夫は治療が終わるたびにクイルのことを抱き締めます。するとクイルが嬉しそうにしがみついてきます」とメルさんが言いました。

クイルはいつも勇敢で、周りの人達に感謝していて、たくさんの愛情で満たされていました。

この家で暮らしている先住猫の『パンプキン』もクイルのことがすぐに気に入って、毎日強く抱き締めながら毛づくろいをするようになりました。

しかしそれから数週間後、クイルは突然熱で倒れ、動物病院へと運ばれました。そして検査の結果、FIP(猫伝染性腹膜炎)と診断されたのです。この病気は猫コロナウィルスが原因で発症し、腹膜に炎症が起こる病気です。発症すると多くの場合、数日から数ヶ月で命を落とすと言われています。

クイルが入院している間、夫婦は数時間おきにクイルにご飯を食べさせました。夫婦はクイルの前足の治療を中止して、病気との戦いに集中しなければなりませんでした。

「幸いなことにFIPを治せる可能性のある新しい薬物療法があります。その薬を最も効果的に作用させるためには、出来るだけ猫のストレスを少なくする必要があります」と保護施設の創設者のジャクリーン・デアモアさんが言いました。

その薬で治療を開始してから1週間後、クイルは信じられないほどの回復を見せました。それはみんなの想像を遥かに超えるものでした。

「少し前まではFIPの発症は死を意味していました。でもクイルは新しい薬のおかげで、非常に良い反応が出ています。彼女はとても活発に動けるようになり、体重も増え始めました。」

クイルはとても低い確率の中で戦い続け、命を繋ぐことができたのです。

そしてクイルの体重は2ポンド(約907g)を超えました。クイルは毎日確実に体重を増やしていて、愛らしい姿をたくさん見せてくれているそうです。

夫婦はクイルが厳しい道のりを乗り越えてきたことを誇りに思っていて、クイルの成長の節目ごとにお祝いをしてきました。

クイルの前足は両方ともねじれていますが、それがクイルの行動を遅くすることはありません。クイルは前足を上手に使って物を動かしたり、高いところに登ることもできるのです。

クイルは適切な治療によって改善し続けています。クイルは日に日に強く、好奇心が旺盛になっていて、いつも愛らしい個性を輝かせているのです。

これからもクイルは優しい夫婦の元で、たくさんの愛情を吸収しながら前進し続けることでしょう。
出典:pumpkinpatchpetrescue/chocolatebearcat/lovemeow

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