ある日、猫の『シンフォニー』がワシントン州のアーリントンにある家から、46匹の猫達と一緒に救助されました。
多くの猫達を助け出した地元の保護団体は、いくつかの保護施設に連絡をしました。そして保護された猫達の中から、出産を終えたばかりのシンフォニーと10匹の猫が保護施設『パーフェクト・パルス』に運ばれてきたのです。
施設に来た全ての猫には生涯の家が必要でしたが、シンフォニーは以前の生活の影響で、人間のことが完全に信じられなくなっていました。
シンフォニーは人間の愛情の受け入れ方を知りませんでした。しかし、スタッフ達はシンフォニーがいつか心を開いてくれると信じ、施設で引き取ることにしたのです。
スタッフ達はシンフォニーを人間生活に慣らすために、一時的に別の場所で育てることに決めました。
「シンフォニーは受刑者達を更生させるために行われている『猫を人間生活に順応させるための更生プログラム』で育てられることになり、しばらくの間、受刑者と一緒に過ごしました。それは人間のことが信じられなくなっていたシンフォニーにとって、とても効果のあることでした」と保護施設のスタッフが言いました。
数ヶ月間の育成で、シンフォニーはついに里子に出る準備を整えることができました。その後、施設に戻ってきたシンフォニーは、スタッフのリアさんの家で過ごすことになりました。
「クリスマス休暇の数週間前まで施設に残っていた猫はシンフォニーだけでした。そのため私はしばらく施設を閉じることに決めて、12月19日に彼女を一時的に自宅に連れて帰ることにしました」とリアさんが言いました。
「私はシンフォニーを自宅に連れて帰る前に、彼女を世話した受刑者が書いた手紙を読みました。そこには彼女が受刑者達からどのように愛されていたか、さらに彼女の好きなオモチャのことや、彼女が遊び相手をとても欲しがっていることなどが書かれていました。私はその手紙を読んで心が大きく揺さぶられました。そして、彼女には安心できる家が必要だと強く感じました。」
ちょうどその時、リアさんの夫のラリーさんがシンフォニーを迎えに来ました。すると初対面にもかかわらず、シンフォニーがラリーさんの首に手を回して、嬉しそうに抱きついたのです。その様子を見ていたスタッフ全員が、「シンフォニーが新しい家族を選んだ!」と感じたそうです。
その後、リアさんとラリーさんはシンフォニーを引き取るための書類にサインをしてから、自宅へと帰りました。
こうしてリアさんの家で暮らし始めたシンフォニーは、快適な環境の中で完全に心を開きました。シンフォニーはすぐに自分の殻から出てきて、リアさんの家族や2匹の先住猫達と仲良くなったのです。
もうそこには人間を恐れていた、かつてのシンフォニーの姿はどこにもありません。シンフォニーはいつも幸せそうにゴロゴロと喉を鳴らしながら、大好きな家族にしっかりと抱きついているそうです。
「私達は長く険しい道のりを歩いてきた猫達が暖かい家を見つけ、家族に心を開いた時、心の底から喜びを感じます。そしてその喜びは、私達が保護活動を続けていくための大きな力になっています」とスタッフが話してくれました。
こうして人間のことが完全に信じられなくなっていたシンフォニーは、人間の愛情を受け入れて、生涯の家を見つけることができました。どうやらシンフォニーは自分のことをずっと愛してくれる最高の家族に出会えたようです。
今まで辛い経験をしてきた分、これからは優しい家族にたっぷりと甘えながら、幸せいっぱいの毎日を送っていって欲しいですね。
出典:purrfect_pals/lovemeow