ある日、タクシーの運転手をしている女性が車を走らせていると、道路の真ん中に座っている黒白猫の姿を発見しました。地元の保護施設『リトル・ワンダラーズ・NYC』でボランティアをしている女性は、猫の状態を確認せずに車を発進させることができませんでした。一方の猫はタクシーのドアが開くまで、その場から動こうとはしませんでした。
「彼女がドアを開けると、猫は自ら車内に飛び込んできました。どうやら猫は誰かが助けてくれるのを待っていたようでした」と保護施設のスタッフが言いました。
猫はまるで安全な場所まで連れて行ってくれるのを知っているかのように、ダッシュボードに座りながら見つめてきました。女性は猫がヒッチハイクをしてきたことに驚きましたが、猫を助けることができたことに喜びを感じました。
女性がダッシュボードの上の猫を撫でようとした時、他の動物と戦った時にできたと思われる傷跡があることに気づきました。また猫は目の周りが荒れていて、目がほとんど開かなくなっていました。
のちに『タックス』と名付けられた猫は、とても人懐っこい性格で、女性がアゴを撫でようとすると喜んで受け入れました。
その後、動物病院に運ばれたタックスは年齢が約2歳だと分かりました。「タックスは眼感染症を患っていて、戦いの傷跡がありましたが、それ以外は良好でした。」
保護施設のスタッフ達はタックスのために養育主さんを手配しました。そのおかげでタックスはすぐに室内生活に慣れることができ、家の中でリラックスし始めました。
養育主さんはタックスの目を綺麗にして看病を続けました。またタックスのために快適なベッドを用意すると、タックスはそのベッドがとても気に入ったようで、一日の多くの時間をベッドの中で過ごすようになりました。
とっても人間好きのタックスは、ただ人の近くにいて、みんなの注意を集めて、腕の中でゆっくりしたいと思っていました。
「タックスは食いしん坊でハグ好きの猫です。彼はとても甘えん坊で、いつも身体を撫でて欲しそうにしています」と養育主のダナさんが言いました。
タックスはこれまでずっと路上で食糧不足の問題を抱えていたため、保護されてからも次の食事が食べられるかを心配して、ご飯が目の前に置かれた瞬間に物凄い勢いで食べてしまう傾向がありました。
「タックスは現在、家猫になるための勉強をしていて、トイレの使い方や食べる速度などを学んでいます。」
タックスはダナさんのおかげで落ち着いて過ごせるようになり、ご飯の時間も随分とリラックスしながら食事を楽しむようになりました。またタックスは頭の上に屋根があり、いつも優しくしてくれる人達がそばにいる環境にとても感謝していました。
タックスは撫でられるのが大好きで、ハグをされると大喜びします。また柔らかいものをこねるのも好きで、昼寝の時はいつもフワフワのベッドをフミフミしながら、幸せそうに夢の世界へと旅立って行くそうです。
「人間好きのタックスは新しい家に行くのが待ちきれません。私は彼が生涯の家に行くための手助けができることに大きな喜びを感じています」とダナさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして道路の真ん中でタクシーを待っていたタックスは、無事に優しい人達に出会うことができました。タックスはもうご飯や避難場所の心配をする必要がなく、安全な家の中でたくさんの幸せを感じながら楽しい時間を過ごしているのです(*´ω`*)
出典:littlewanderersnyc/lovemeow