ある日、保護施設『キットカット・プレイルーム』のジェン・マックさんが、保健所に運ばれてきた子猫についての話を聞きました。するとすぐにジェンさんは子猫を救い出すため、急いで保健所へと向かいました。
『テート』と名付けられた子猫は、足の指が多い多指症の子猫でした。テートは年齢よりも随分と小さな身体をしていましたが、とても強い意志を持っていました。テートは最初から力強く哺乳瓶を掴んで、勢いよくミルクを飲み始めました。
数日後、ジェンさんはテートの頭に柔らかい部分があることに気づきました。そこですぐに動物病院に向かうと、テートが水頭症で、脳室内に液体が溜まっていることが分かったのです。
獣医さん達はテートの状態を細部まで調べて、手術をするための準備を始めました。そしてテートが9週齢を迎えた時、脳室内から余分な液体を取り除くための手術が行われました。
「テートは手術の直後から元気に動き回って、たくさんのご飯を食べ始めました」とジェンさんが言いました。
その後、テートの状態が回復していくと、ジェンさんはテートがとても人間好きなことに気づきました。テートはジェンさんから片時も離れたくなくて、常に注目されたいと思っていました。
「私の朝はいつもテートの『ニャー!』という声から始まります。そして私の一日はテートと寄り添いながら終わります。」
それから数ヶ月間、テートの状態は何度も不安定になりましたが、テートはそのたびに強い意志で何とか立ち直りました。さらにテートは適切な薬とたくさんの抱擁で、徐々に良い方向へと向かっていきました。
そしてテートは自然とジェンさんの心の奥深くへと入り込んで、永遠にジェンさんの家で暮らすことになったのです。
テートは常に好奇心が旺盛で、ジェンさんの家をまるで自分が所有しているかのように駆け回ったり、飛び跳ねたりしています。テートは今の暮らしに大きな幸せを感じていて、自分の人生を心から愛しているのです。
テートはいつもジェンさんの姿を見つけると、一直線に腕の中に飛び込んでいくそうです。
テートはジェンさんがしていることの全てに関わりたいと思っていて、常にジェンさんの後をついて回っています。
そんな甘えん坊なテートはある日、ジェンさんのパソコン作業中に注意を引く方法を見つけました。テートは毎回ジェンさんの肩の上に飛び乗って、抱っこを要求してくるようになったのです。そして、もし抱っこが足りない時は、ジェンさんがソファーや椅子から立ち上がることを決して許しませんでした。
テートは日々の暮らしにたくさんの愛情を感じながら、ジェンさんと一緒に数年間を過ごしてきました。テートはこれまでに何度か危険な状態に陥りましたが、絶対に諦めることなく、全ての障害を乗り越えてきたのです。
今のテートはまるで女王様のように家の中を支配していて、ジェンさんの行動にいつも目を光らせています。そしてジェンさんが連れてくる保護子猫達を見守りながら、愛情いっぱいの毎日を送っているのです。
出典:kitkatplayroom/tater_gonna_tate/lovemeow