ある日、カナダのオンタリオ州で1匹の生まれたばかりの子猫が見つかりました。子猫のお母さんはどこにも見当たらず、子猫は誰かの助けを必要としていました。
そんな子猫の話を聞いた保護施設『ティニー・バット・マイティー・キトゥン・レスキュー』のメリッサさんは、すぐに子猫を引き取ることを申し出ました。メリッサさんは24時間体制で子猫にミルクを与えて、衰弱していた子猫を死の淵から救い出しました。
メリッサさんはちょうどその時、別の場所で保護された授乳中の母猫の『ジューン』の世話も行なっていました。メリッサさんはジューンが保護した子猫を受け入れて、母親の愛情を注いでくれることを望んでいました。
『ジャニー』と名づけられた子猫は、フィーバーコートという状態で生まれたため、全身が灰色になっていました。これは出産前の母猫が高熱を出している時やストレスがかかっている時に現れる状態でした。フィーバーコートで生まれた子猫は成長と共に灰色が薄れていき、最終的に本来の姿を取り戻します。
ジャニーは一日中ミルクの世話をしてもらい、快適な保育器の中で眠り続けました。そのおかげでジャニーは徐々に元気を取り戻し、確実に体重を増やしていったのです。
一方、メリッサさんの家にいたジューンは、保護されてすぐに4匹の子猫を出産し、たくさんの愛情を子猫達に注いでいました。
そんな愛情深いジューンの大切な子猫達の中に、『ジャスミン』と言う名前の子猫がいました。ジャスミンは愛らしい癖と甘い性格で、幼い時からとても目立つ存在でした。
「私はジャニーの準備が整うと、ジューンに会わせてみました。するとジューンはすぐにジャニーを我が子のように受け入れて、愛情いっぱいに毛づくろいを始めました」とメリッサさんが言いました。
また4匹の子猫達もすぐにジャニーのところに向かって、ジャニーに寄り添いながら喉を鳴らし始めました。中でもジャスミンはジャニーとすぐに深い絆を結んで、いつも一緒に過ごすようになったのです。
ジャニーの方も4匹の新しい兄弟のことが好きになりましたが、特にジャスミンのそばから離れなくなりました。ジャニーはジャスミンに鼻を擦りつけて、耳を毛づくろいするような仕草も見せました。
ジャスミンはその日以降、いつもジャニーのそばに留まっていましたが、残りの兄弟は部屋を探索することに興味を持っていました。ジャスミンはジャニーのことを常に見守り、ジャニーが寂しさを感じないように寄り添い続けたのです。
それから数週間が経つと、ジャニーは年上の兄弟のように食べたり飲んだりすることを学び、兄弟と一緒に遊べるほどに成長しました。ジャニーはジャスミンの全ての行動をマネしながら、年上の兄弟に追いつくために一生懸命に努力しました。
ジャニーは家のいたるところでジャスミンの後を追いかけました。ふたりはいつも一緒に昼寝をして、お互いのことを毛づくろいし、お互いの視界の外に出ることはありませんでした。
そして子猫達が生涯の家を見つける時期が来た時、メリッサさんはふたりが完全に離れられない存在になっていることに知っていました。
「ジャニーとジャスミンは出会った最初の日から『姉妹』になる運命でした。」
そんなふたりの話に心を動かさせた家族が、ふたりに会いに来ました。そしてふたりはペアになって生涯の家へと旅立って行ったのです。
ふたりはそこで『ファウナ(ジャニー)』と『フローラ(ジャスミン)』に名前を変えました。
フィーバーコートで生まれたファウナは成長するにつれて、本来の模様が浮かび上がってきました。ファウナは全身が黒くなり、胸と耳の毛だけが白い愛らしい子猫へと変身しました。
ファウナの容姿は随分と変わりましたが、フローラとの関係は以前と全く変わりません。ふたりはいつも一緒に行動し、お互いにたくさんの愛情を注ぎ合っているのです。
ふたりはこれからもずっと仲良く過ごしながら、幸せいっぱいの人生を歩み続けていくことでしょう(*´ω`*)
出典:tiny but mighty kitten rescue/lovemeow