ある日、養育ボランティアのデビー・ハリスさんが、置き去りにされた猫についての連絡を同僚の女性から受けました。猫は元の家族が引っ越す時に置いてきぼりにされて、ご飯をもらうために近所の家々を訪ね歩いていました。
そしてある日、猫は同僚の女性の家に姿を現しました。猫はとても甘えん坊で、人間の後を追いかけ、女性が飼っている犬とも仲良くなりました。女性は猫を保護したいと思いましたが、夫が猫アレルギーを持っていたため、猫に素敵な家を見つることを心に決めました。
「私は連絡をもらった後、同僚の家に向かい、猫を保護して自宅へと連れて帰りました。彼はラグドールで、とても愛らしい性格の持ち主です」とデビーさんが言いました。
キャリーから出てきた猫は、まるでデビーさんの家を所有しているかのように、家中を探索し始めました。そして食事スペースへと歩いて行き、たくさんのご飯を食べ始めました。
その後、動物病院へと行った猫は、体重が5.44kgで年齢が2〜3歳くらいだと分かりました。猫は上気道感染症の治療を受けて、絡み合っていた毛を切ってもらいました。
「猫は獣医さんの言うことを素直に聞いて、とてもいい子にしていました。彼は全てのスタッフに頭をこすりつけながら挨拶をして、喉をゴロゴロと鳴らし始めました。」
猫が発見されたのは2月初旬のことでした。そこでデビーさんはバレンタインデーにちなんで、猫に『バレンチノ』と名づけました。
全身が綺麗になったバレンチノは家の中を自信満々に歩くようになり、フワフワの毛をデビーさんに誇示するようになりました。バレンチノは再び室内生活に戻れたことに感謝しているようで、デビーさんの足にたくさん身体を擦りつけてきたそうです。
バレンチノは病気が回復するにつれて、より好奇心が旺盛になり、遊びたい気持ちが増していきました。「バレンチノは名前の通りとても愛情深く、ラグドールの性格の通りとても忠実です。」
デビーさんの元でエネルギーが溢れ出したバレンチノは、再び子猫に戻ったかのように遊び始めました。バレンチノはキャットツリーに登ったり、家の中を散歩したりしながら、楽しい毎日を送るようになったのです。
デビーさんの最初の計画では、バレンチノが元気を取り戻したら新しい里親さんを探そうと考えていました。しかし、バレンチノの方は別の計画を持っていたようです。
「バレンチノはいつの間にか、私や家族の心の奥深くまで入り込んでいました。」
デビーさんはバレンチノに飼い猫の『ジョジョ(三毛猫)』と『リルマン(茶トラ)』を紹介しました。猫達は時間の経過と共に徐々にお互いのことを受け入れて、日に日に仲良くなっていきました。そして自然と一緒の時間を過ごすようになったのです。
「私はバレンチノを里子として送り出すことができませんでした。私は完全に彼に恋をして、正式に家族の一員として迎えました。」
「私には前の家族がどうしてバレンチノを置き去りにできたのか理解できません。でもそのことによって私は彼に出会うことができました」とデビーさんが話してくれました。
もしかするとバレンチノは初めてデビーさんの家に足を踏み入れた瞬間から、ここが生涯の家になることを知っていたのかもしれません。バレンチノはいつも家の中で満足そうに過ごしながら、たくさんの愛情に最高の幸せを感じているそうです。
出典:fosterkittys/lovemeow