ある日、ブルックリンにある保護施設「BBAWC」に保護猫の『グース』がやって来ました。グースは新しい環境や人間を怖がっていて、いつも物陰に隠れていました。しかし、3匹の保護子猫と出会った瞬間、グースの心に大きな変化が起こったのです。
グースはTNR活動(野良猫の不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す活動)によって保護された猫でした。グースは長い間、野生の厳しい環境の中で生きてきたため、非常に臆病になっていたそうです。そのためグースは常に物陰に隠れようとしていました。
「グースは最初、私達のことを非常に怖がっていました。私達はずっと厳しい環境で生きてきたグースを、安全な家の中で過ごさせてあげたいと考えました。そこで私達は、彼が人間との生活を受け入れるかを試してみることにしました」と保護施設のジュリア・ローゼンフェルドさんは言いました。
グースはいつも物陰に隠れていましたが、ジュリアさん達はグースの心の奥に、愛されたいという気持ちがあることを知っていました。そんなグースが自分の殻を破るためには、誰かの助けが必要でした。
その後、合併症の手術を受けたグースは、毎日薬を飲んで、2週間エリザベスカラーを身につけることになりました。「病気の治療はグースにとって好きなことではありませんでした。そのため彼は治療を続ける私達のことを、受け入れようとはしませんでした。グースが薬を飲みたくない時は、決して口を開こうとしませんでした。彼は物陰で目を閉じながら、何とか治療をやりすごそうとしていました。」
数週間後、スタッフ達はグースの社交性を高めるために、猫の友達を紹介することにしました。「人間を怖がっている猫も、他の猫とは楽しそうに遊んでいることがよくあります。そのため私達はグースに友達ができれば、彼の気持ちが変わるかもしれない考えました。」
スタッフ達は早速、とってもフレンドリーで穏やかな性格の一組の子猫をグースに紹介してみました。しかし残念ながらグースは、どちらの子猫も受け入れようとはしませんでした。
そんな中、人間生活に慣らす必要のある、6週齢の3匹の子猫が保護施設にやって来ました。
子猫達は野良の母猫から生まれたため、人間との接触がほとんどありませんでした。子猫達は母猫と離ればなれになっているところを保護されて、保護施設に運ばれてきたそうです。スタッフ達はそんな子猫達をグースに会わせてみることにしました。
「私達はグースのところに子猫達を連れて行きました。するとグースは子猫達のことを一瞬で受け入れました! それはまさに一目惚れでした。」
グースはすぐに子猫達に寄り添うと、大きな音で喉を鳴らし始めました。グースは物陰に隠れようとせず、リラックスしながら子猫達の世話を始めたのです。
「子猫達もグースのことが大好きで、常に彼に寄り添っています。子猫達はみんな彼の耳で遊ぶのが大好きなようです。グースは子猫といつも一緒にいますが、特に私達の姿が見えない時にコッソリと子猫達と遊ぶのが好きなようです。」
そんな子猫達の助けを借りて、グースはゆっくりと自分の殻から出てきました。
「幼い子猫達と親しくなったグースは、私達の姿を見ても怯えることがなくなりました。今の彼はとても勇敢です。もしかすると彼は子猫達のお手本になるように、勇敢な姿を見せているのかもしれません。」
子猫達はいつも優しく接してくれるグースの上に乗って、まるでグースにお礼をしているかのように、可愛い姿で毛づくろいをしているそうです。
また、以前のグースはずっと物陰に隠れていたため、なかなかトイレを使うことができませんでした。しかし、子猫のおかげで自信を持ったグースは、堂々と座りながらトイレをするようになったそうです。
一瞬のうちに仲良くなったグースと子猫達は、来週の頭に養育主さんの家に行くことになりました。「彼らが行くことになった養育主さんの家では、いつも母猫と子猫を一緒に引き受けています。そこで私達は養育主さんに、親子ではなく代理のお父さんと子猫達を預かってもらうことができるかを尋ねました。」
「私達はグースを変えてくれた子猫達にとても感謝しています。そして、グースが新しい人生をスタートさせたことに、とても興奮しています」とジュリアさんは嬉しそうに話してくれました。
まるで本当の親子のような4匹の猫達は、これから向かう養育主さんの家で、完全に人間生活を受け入れることでしょう。そして人間好きの家猫として、いつまでも温かい毎日を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:BBAWC/lovemeow