猫の『チャーリー』と3匹の兄弟は、生後数日の時にキャンプ場で保護されました。その日はとても暑い日で、子猫達はとても衰弱していたそうです。
幸いなことに、偶然キャンプ場を訪れていた優しい女性に発見されて、何とか命をつなぐことができました。その後、地元の保護施設『ASPCA』へと運ばれた子猫達は、養育ボランティアのチャンドラ・アルテリさんの家で育てられることになったのです。
子猫達は24時間の人工保育で育てられました。そのおかげで衰弱していた子猫達に力が戻り、徐々に大きく成長していったのです。その後、子猫達が十分に成長すると、チャーリー以外の兄弟達は里親さんの元へと旅立って行きました。
しかし、チャーリーの里親さんはいくら待っても現れませんでした。誰もチャーリーを引き取らなかったため、チャンドラさんは自分の娘にチャーリーを家族に迎えたいかを聞いてみました。すると娘は「ずっとチャーリーと一緒にいたい!」とすぐに返事を返したそうです。
「チャーリーは私がこれまでに育てた中で、一番優しく、愛情深い猫です」とチャンドラさんは言いました。
「私が仕事から帰ってくると、チャーリーはすぐに玄関に駆け寄って来て、背中にしがみついてきます。また、彼は抱っこされるのが大好きで、いつも愛情いっぱいにハグをしてきます。彼はとても社交的で、子供達や犬、初めての人ともすぐに仲良くなります。特に他の猫や子猫達には驚くほどの愛情を見せてくれます。」
そんな愛情深いチャーリーには、ずっとやりたいことがありました。それはチャンドラさんのように保護子猫達を育てることでした。
ある日、チャンドラさんが保護施設から2匹の子猫を自宅に連れ帰りました。最初、チャンドラさんはチャーリーが子猫達にどのような反応を示すか分からなかったので、チャーリーとは別の部屋で世話をしていました。しかし、チャンドラさんはすぐに自分の心配が的外れなことに気づいたのです。
「チャーリーは別の部屋にいる子猫達に会いたがりました。そこで彼に子猫達を会わせてみると、すぐに彼は毛づくろいを始めたのです。彼は子猫達を常に気にかけて、子猫達が人間を信頼するための手伝いをしてくれました。初めは人間を怖がっていた子猫達でしたが、チャーリーにはすぐに懐きました。そして、チャーリーは私に懐いていたため、子猫達は自然と私のことを信頼するようになったのです。」
チャーリーの助けによって、子猫達は里親さんのところに行く準備が整い、無事に新しい家へと旅立っていきました。
それからもチャーリーは家に来る子猫達を育て続けました。そんなチャーリーのおかげで、今までに25匹の子猫達が新しい家を見つけたそうです。チャーリーは全ての子猫を我が子のように思っていて、たくさんの愛情を注ぎ続けているのです。
「チャーリーは子猫を毛づくろいするのが本当に好きです。子猫達は彼のことを看護師のように思っているかもしれません。」
「また、チャーリーは子猫達とかくれんぼするのも大好きで、いつも色々な場所に隠れています。そして、子猫達が近づいてくると、急に物陰から飛び出してきて、子猫達と一緒に飛び跳ねるのです。彼はとっても陽気な猫です♪」
チャーリーはオスの猫ですが、チャーリーを見た全ての人が、その優しさに驚くそうです。チャーリーは寂しそうな子猫を見る度に、父親の本能が揺さぶられ、最高のお父さんになるのです。
子猫達はみんな、生きるために大切なことをチャーリーから学びます。そして、たくさんの愛情の中で育った子猫達は、新しい家でも里親さんと素敵な関係を築くことができるのです。
「特に人間を恐れている子猫には、チャーリーの存在は非常に大きいです」と保護施設で老猫カウンセラーをしているアディ・ホバブさんは言いました。
「チャーリーは人間と子猫を結ぶための架け橋になっています。子猫が社交性を身につけるために、チャーリーはとても貢献しています。」
チャーリーは生まれた直後に辛い時期を過ごしました。もしかするとその時の記憶が、子猫達を助けたいという想いにつながっているのかもしれません。そしてチャーリーは今、自分を助けてくれた人達に、たくさんの恩返しをしているのです。
「チャーリーは母親のいない子猫達のことを常に一番に考えています」とチャンドラさんが言いました。
「新しい子猫が家に来ると、彼は自分のオモチャをソファーの下に置いて、子猫の世話を始めます。そして、子猫と仲良くなるとソファーの下からオモチャを持って来て、一緒に遊び始めるのです。」
チャーリーは家で出会った全ての子猫達に、喜びと愛情を届けています。また、チャーリーは自分を育ててくれたチャンドラさんにも、たくさんの幸せを届けているのです。
「チャーリーは私の宝物です。私はもう彼以上の猫と出会うことはないでしょう」とチャンドラさんは幸せそうに話してくれました。
出典:aspca/lovemeow
This post was published on 2019/01/10