人生に、もふもふを。

寒さの中、空腹に耐えながら暖かい場所を探していた猫。雪の降る直前に保護され、安全な家の中で無事に子猫達を出産する

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ある日、カナダのモントリオールに住むシルバンさんが、レストランの駐車場で1匹の野良猫に出会いました。シルバンさんは猫に近づこうとしましたが、猫はすぐに遠くの方へと逃げてしまいました。

それから1ヶ月後、シルバンさんが再びその場所に戻ると、あの時の猫の姿を見つけました。シルバンさんは寒い冬が近づいていたため、猫をその場に残すことができませんでした。

シルバンさんは再び猫が逃げるかもしれないと思いながら、猫の方へと近づいて行きました。しかし、猫は逃げようとせず、シルバンさんが近づくことを許してくれたのです。「私がお店の従業員に猫のことを聞くと、猫は2〜3ヶ月前からこの場所にいることが分かりました」とシルバンさんは言いました。

猫には帰る家がないようで、レストランの人達にご飯をもらいながら生きていました。

「私は猫が誰かに飼われているかもしれないと思い、猫の写真を撮って、色々なFacebookページに投稿しました。」

しかし、誰も猫のことを自分の猫だと主張する人が現れませんでした。そこでシルバンさんは地元の保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』に助けを求めましたが、残念なことに養育ボランティアさん達の家は、保護猫達で満員の状態でした。

「私は猫を保護して、自宅で世話をすることに決めました。」

シルバンさんはそれから毎日猫にご飯を食べさせ、猫の信頼を少しずつ得ていきました。そして天候が悪化し、寒くなってきた時、シルバンさんは猫を安全な場所に連れていく時が来たと感じたのです。

「シルバンさんは捕獲器を借りて、駐車場に設置し、忍耐強く待ちました。猫はなかなか入ってきませんでしたが、諦めずに何回も試すと、ついに捕獲器の中へと入ってきました」と保護施設のスタッフは言いました。

シルバンさんは猫を自宅に連れて帰り、食べ物と水を与えました。猫は家の中に安心したようで、すぐに緊張を解いて、くつろぎ始めたそうです。

週末になると、シルバンさんは猫を動物病院へと連れて行きました。そこでシルバンさんは獣医さんから、驚きの言葉を聞きました。なんと猫は妊娠していたのです。

妊娠中の猫は、カナダの寒い冬から子猫達を守るために、安全な場所を必要としていました。

シルバンさんは動物病院から帰ってくると、猫に『ティシャ』と名づけました。そして、経験豊富な養育ボランティアさんが見つかるまでの間、ティシャの世話を続けたのです。

そして11月の初め、養育ボランティアのステファニーさんがティシャを引き取っていきました。「ティシャは他の猫や人間が大好きで、甘くて愛らしい性格の猫です。私は彼女を送り出す時に、大きな寂しみを感じました」とシルバンさんは言いました。

シルバンさんに送り出されたティシャは、すぐに新しい環境に適応し、ステファニーさんに心を開きました。

「ティシャはいつも喉を鳴らしながら、人間の注意を引こうと背中に登ってきます」と保護施設のスタッフは言いました。

そして、ティシャがステファニーさんのところに来てから数日後、暖かい家の中で4匹の子猫を出産しました。

「ティシャが全ての子猫を産むまでに12時間くらいかかりました。その間、ティシャはとても不安そうでした。ステファニーさんはずっとティシャのそばにいて、彼女の気持ちを落ち着かせていました。」

「現在3週齢になった子猫は、健康で、幸せで、元気いっぱいです。ティシャは子猫達に愛情深く接し、全ての力を子猫達に注いでいます。彼女は最高のお母さんです。」

「ティシャは長く野良猫として暮らしてきたため、健康上の問題がありました。もしシルバンさんが保護していなかったら、今頃はこの世にいなかったかもしれません。シルバンさんの優しさのおかげで、ティシャと子猫達の命は救われました。」

ティシャが保護された駐車場は現在、たくさんの雪に覆われています。でもティシャと子猫達はもう、冬の寒さを心配する必要はないのです。

これからも猫の親子は、暖かい家と美味しいご飯、快適なベッド、そしてたくさんの愛情を注がれながら、幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:Rescuechatonsmontreallovemeow

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