ある日、2匹の兄妹の猫『スピッフィー(兄)』と『アンリエッタ(妹)』が保護施設『パーフェクト・パル・キャット・シェルター』に入りました。飼い主さんの引っ越し先が、動物を連れて行けない場所だったため、保護施設へと連れてこられたのです。
2匹は16歳の老猫でした。施設に来た2匹は新しい場所に戸惑い、初めて会う人達を怖がり、完全に混乱していました。施設のスタッフは、そんな2匹を安心させようと、優しく接したのです。そして、しばらくすると2匹は少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
2匹は生まれたときからずっといっしょに暮してきたため、お互いになくてはならない存在になっています。
茶トラの兄スピッフィーは、社交的でとても人懐っこい性格です。施設のスタッフとも、よく遊んでいるそうです。
一方の妹アンリエッタは、とても内向的な性格で、新しい環境に馴染めずにいました。人目のあるところではいつも物陰に隠れているため、スタッフはアンリエッタの顔をしっかりと見たことがありません。こちらの写真は、アンリエッタが一瞬だけ顔を出した瞬間です。
元気のないアンリエッタのことをいつも心配していたのがスピッフィーでした。スピッフィーはとても妹思いのお兄さんで、ベッドで丸くなるアンリエッタを安心させようと、いつもそばにいて喉を鳴らしてあげていたのです。
スタッフは2匹がいっしょに暮らせる家を探し始めました。しかし、高齢で腰に関節炎のある2匹を引き取ってくれる人は、なかなか現れませんでした。それでもスタッフは何とか里親さんを見つけようと、SNSに投稿したり、猫の情報サイトに拡散をお願いしたりとできる限りのことをしたのです。
そして、ついに里親さんが見つかりました!
ダニエルさん(写真右)が、2匹を引き取りたいと施設にやって来たのです。
アンリエッタは、ダニエルさんが来たときも相変わらずベッドに隠れたままでした。
新しい家に向かうためにキャリーケースに入れられた2匹。ここでもアンリエッタは目を合わせようとしませんでした。
そして、その日の夜、ダニエルさんから施設に1枚の写真が送られてきました。そこには、ダニエルさんの膝の上でくつろぐアンリエッタの姿が写っていたのです。
どうやらアンリエッタは、再び心を許せる飼い主さんに出会えたようです! そんな幸せそうな妹の姿に、きっとスピッフィーも喜んでいることでしょう。これからは優しいダニエルさんの元で、兄妹いっしょにいつまでも幸せに暮していって欲しいですね♪