約3ヶ月前、妊娠中の保護猫が養育主さんの家に行くために長い旅に出ました。
養育ボランティアのハイジ・シューメーカーさんが緊急の助けを必要としている猫の話を聞くと、すぐに行動を起こしました。そして、多くのボランティアさん達の協力のおかげで、数日間の旅の末に、猫は無事にハイジさんの家に辿り着くことができたのです。
猫はかなり痩せていて、力を取り戻すために栄養価の高い食事が必要でした。
「猫はひどい状態で、体中にノミがついていました」とハイジさんが言いました。
ハイジさんはすぐに猫のノミ取りと胃腸炎の治療を始めて、汚れがひどかった耳を徹底的に掃除しました。猫は適切なケアと栄養のあるご飯のおかげで、徐々に落ち着いていってリラックスし始めました。
ハイジさんは猫に『キーヴァ』と名付けて、必要なものが全て揃った居心地の良い部屋を用意しました。
キーヴァはすぐにハイジさんのことを信頼するようになって、数日後に陣痛が始まりました。そしてキーヴァはハイジさんに見守られながら、3匹の茶トラの猫(オス2匹とメス1匹)を出産しました。
快適な家の中でストレスから解放されたキーヴァは全ての愛情を子猫達に注ぎ、そのおかげで子猫達はすくすくと成長していきました。
それからしばらくして3匹のうちの1匹が少し痩せていることに気づいたハイジさんは、補助的にミルクを与え始めました。「幸いなことに何度かの人工哺乳の後、子猫は自然と体重を増やし始めました。」
唯一の女の子の『キンスリー』は、兄弟の『ケイン』と『ケニー』よりも小さな体をしていましたが、強い精神力を持っていて、兄弟に追いつくことを決意していました。
キーヴァは自信に満ちたお母さんで、子猫達の世話をしっかりとしながら、時々寝床から離れて休息を取っていました。キーヴァはこれまで野外の厳しい環境の中で大変な生活を送ってきましたが、子育てが終わったら素敵な家族の元で穏やかな毎日を送り始めることでしょう。
そんなある日のこと、ハイジさんはキーヴァのミルクの出が悪くなっていることに気づいて、キーヴァに代わって子猫達に哺乳瓶でミルクを与え始めました。ハイジさんはその日からほとんど眠らずに人工哺乳を続けました。それはとても大変なことでしたが、子猫達がすくすくと成長を続け、キーヴァが室内生活に慣れていく姿を見て、胸がいっぱいになりました。
そして、子猫達が寝床から出られるほどに大きくなると、子猫達は広々としたベビーサークルに移って新たな冒険をスタートさせました。
子猫達はそこで日を追うごとに自立していきました。するとキーヴァは再びオモチャで遊ぶようになって、子猫のような好奇心を取り戻していきました。
そんなキーヴァに育てられた子猫達の中で、キンスリーがまだ一番小さな体をしていますが、全ての人の心を和ませるような愛情に満ちた瞳を持っています。
一方のケインとケニーは毎日元気いっぱいで、いつも無邪気に走り回ったり、イタズラをしたりしながら、好奇心の赴くままに動き回っているそうです。「母親のキーヴァは遊ぶことが大好きですが、いつも子猫達が邪魔をしてきます。彼女は本当に魅力的で、私達の心を掴んで離しません」とハイジさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして2度目のチャンスを得たキーヴァは、快適な家の中で最後の我が子を安全に育てることができました。これからもキーヴァは家猫生活を楽しみながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:fosterkittenmama/lovemeow