今年の初め、カナダのモントリオールで動物の保護活動を行なっているステファニーさんとヨハネさんが、多くの猫が密集して暮らしている家から、たくさんの猫達を救い出しました。
その猫達の中に『ザラ』と名づけられた7歳の猫がいました。ザラは生後4ヶ月の子猫の『ジータ』と一緒にいるところを発見されました。親子はこの家で40匹以上の猫達と一緒に暮らしていました。
親子は非常に痩せ細っていて、獣医さんによる治療を必要としていました。
ステファニーさんとヨハネさんから猫達の話を聞いた保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』は、猫達を助けるための支援をすることを申し出ました。「残念ながらザラは2匹の子猫を失いましたが、ジータは命をつなぐことができました」と保護施設のスタッフが言いました。
「ザラは長い間治療されていなかったため、耳の感染症で頭が傾いた状態になっていました。ザラとジータは保護から数週間の間、白癬(はくせん。カビによる感染症)の治療を続けました。」
適切な治療と美味しい食事、そして清潔な環境で、ジータは日に日に体重を増やしていき、エネルギーに満ち溢れていきました。
一方のザラは身体を回復させるために、しばらくの間静かな環境で過ごす必要がありました。
ザラはこれまで辛い時期を過ごしてきたにもかかわらず、人間と接することが大好きでした。ザラは人間にかまってもらうのが好きで、いつも養育主さんの後を追いかけているそうです。
「ザラはとってもお話し好きで、何か言いたいことがある時は躊躇せずに話しかけてきます。また彼女は部屋のドアが閉まっていることがあまり好きではないようです。」
ザラは養育主さんが仕事から帰ってくると、すぐに玄関までお出迎えに行って、今日どんなことがあったかを話し始めます。そして眠る時間になると、養育主さんの隣で幸せそうに眠りにつくそうです。
「ザラはとっても甘えん坊な性格で、抱きしめられたい時はいつまでも仰向けになっています。」
その後、ジータが生涯の家に旅立って行くと、ザラは完全に子育てから卒業して、人間に甘えることにさらに多くの時間を費やすようになりました。
少し前までは多くの猫達と一緒に狭い場所で過ごしていたザラですが、今は広くて快適な環境に満足していて、いつも大きな幸せを感じているのです。
「ザラの身体は完全に回復しましたが、少しだけ頭が傾いたままです。でも彼女はそのことを全く気にしていません。彼女はとってもフレンドリーで、身体を撫でてもらうためにいつも頭を押しつけてきます。」
そしてザラが救助されてから約10ヶ月後、ついにザラはずっと望んでいた夢を実現させることができました。その日、ザラの前に素敵な家族が現れて、クリスマス休暇に間に合うように、ザラを家に迎え入れたのです。
「ザラは現在、窓辺でリスを見ながら日光浴を楽しんでいます。彼女は温かい家族がいつもそばにいてくれることに、最高の幸せを感じています」と保護施設のスタッフが嬉しそうに話してくれました。
こうして多くの猫達と一緒に保護されたザラは、温かい家で幸せな毎日を手に入れることができました。ザラはこれからもたくさんの愛情を感じながら、いつまでも穏やかな日々を送っていくことでしょう。
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow