ある日、野良猫の『スプリンクルス』が3匹の子猫と共に保護施設へとやって来ました。その後、猫の親子は施設を出て、養育ボランティアをしているアシュリーさんに預けられました。その時の子猫達の年齢は、生後4日だったそうです。
スプリンクルスはほとんど人間と接したことがなかったようで、アシュリーさんのことを全く信用していませんでした。そのため安全な家に迎えられてからも、子猫を守るために必死で威嚇してきたのです。さらにスプリンクルスは食べることも拒否しました。
アシュリーさんはスプリンクルスに、安心して子育てをしてもらいたいと思いました。そのためには何とかしてスプリンクルスの信頼を得る必要があったのです。
アシュリーさんはスプリンクルスの近くにご飯を置いて、身体を撫でるために何度も手を伸ばしました。すると少しずつ人間に安心してきたスプリンクルスは、ついにアシュリーさんの手の匂いを嗅いで、顔を擦りつけてきたのです。その姿を見たアシュリーさんは、スプリンクルスが自分を受け入れてくれたことを悟りました。
その日からアシュリーさんは、スプリンクルスと一緒に子猫達の世話を始めました。
3匹の子猫のうち『ココ』と『フリッター』は順調に成長していきましたが、一番小さかった『メイプル』は小さなままでした。アシュリーさんや獣医さんはメイプルのために最善の努力を尽くしましたが、残念ながら一週間後に命を落としてしまったそうです。
スプリンクルスはメイプルに最期の瞬間まで寄り添い、愛情を注ぎ続けました。「スプリンクルスは動かなくなったメイプルのことを静かに見つめていました。私には彼女がメイプルの死を理解したのだと感じました。」
その後、残った子猫達はアシュリーさんとスプリンクルスの愛情で順調に育っていきました。
スプリンクルスはほとんど休むことなく子猫達の世話を続けました。そして、アシュリーさんが来ると少しだけ子猫達を預けて、トイレに行ったり、ご飯を食べたりしたそうです。
そして2日前。
ついに子猫達の目が開きました!
この頃のスプリンクルスは、すっかりアシュリーさんのことを信頼していて、疲れた時は子猫達をアシュリーさんに預けて、長い休息を取るようになったそうです。
子猫達が大きくなるに連れて、スプリンクルスは子猫達に近くを探検させるようになりました。そして子猫達が戻って来ると、いつも愛情いっぱいに抱きしめて、優しく寝かしつけるそうです。
「ココとフリッターはとても健康的で、愛らしい姿をたくさん見せてくれます。彼らにはメイプルの分まで幸せになって欲しいと心から願っています」とアシュリーさんは話してくれました。
こちらはココに頭を擦りつけるスプリンクルスの様子です。
こうして人間を信じられなかったスプリンクルスは、アシュリーさんの愛情に触れて、大きく変わることができました。スプリンクルスはこれからもアシュリーさんと一緒に子育てをしながら、子猫達が成長していく姿を温かく見守っていくことでしょう。