ある日、ワシントンの街で妊娠中の野良猫が見つかりました。その後、保護施設『ヒューメイン・レスキュー・アライアンス』へと運ばれた猫は、栄養不足でとても痩せ細っていました。保護されてすぐに出産を迎えた猫でしたが、合併症を患ってしまい、お腹にいた子猫達のうち生き残ったのはひとりだけでした。
養育ボランティアのスージーさんは猫の親子の世話を引き受け、母猫に『シャウナ』、子猫に『シェーン』と名付けて養育を始めました。
シェーンを出産したシャウナでしたが、最初の3週間はミルクを出すことができませんでした。そのためスージーさんが人工哺乳で、2〜3時間おきにミルクを飲ませ続けました。
「我が子にミルクを飲ませることができないシャウナの姿を見て、私は胸が苦しくなりました。私は彼女とチームを組んで、一緒にシェーンを育て始めました」とスージーさんが言いました。
しばらく体調が優れなかったシャウナでしたが、獣医さんから処方された薬で徐々に回復し始めました。シャウナは薬を飲んで身体を休め、少し気分が良くなるとシェーンの世話を始めました。
シャウナが体調を崩している間、スージーさんがシェーンの毛づくろいをしていましたが、シェーンは決して喉を鳴らしませんでした。しかし、シャウナが毛づくろいを始めると、すぐにシェーンが喉を鳴らし始めたそうです。
それから数日間でシャウナは随分と元気を取り戻し、母性本能が強くなりました。シャウナはシェーンにたくさん話しかけて、シェーンを抱きしめながら眠りにつくようになりました。
さらにシャウナは体重を増やしていって、子育てに全ての力を使えるようになりました。シャウナは毎日シェーンを定期的に毛づくろいして、全ての要求に応えているそうです。
またシャウナは家のあらゆる場所でシェーンに寄り添いました。シャウナはシェーンが少し遠くに行くと、すぐに駆け寄って安全な場所まで咥えて運んでいるそうです。
「シャウナは常にシェーンに気を配っています。彼女はご飯の時間が来ると、シェーンを私のところに連れて来て、私のことをじっと見つめてきます。そして私がミルクを与え終わると、すぐに私の手からシェーンを引き取って、ふかふかのベッドで毛づくろいを始めます。」
そしてシェーンが生まれて3週間後、シャウナはついにミルクが出せるようになりました。シャウナの身体は完全に回復して、シェーンの世話を全てひとりでできるようになったのです。お母さんのミルクを飲み始めたシェーンは、自然と哺乳瓶からミルクを飲むのをやめたそうです。
その後、シェーンが離乳食を食べ始めると、シャウナはシェーンにオモチャで遊ぶ方法を教えました。
「病気を乗り越えたシャウナはお母さんとして開花しました。彼女は好奇心も旺盛になって、元気いっぱいに暮らしています。」
「私は親子がずっと一緒に暮らせるように、彼らを一緒に引き取ってくれる里親さんを探そうと考えています。彼らとても甘くて毎日を楽しんでいます。彼らは容姿もよく似ていて、本当に可愛い親子です。」
「またシャウナは人間に頭突きをするのが大好きで、誰かがそばにやって来るとすぐに膝の上に飛び乗って丸くなります。私は愛らしい親子の姿にいつも心が温められています」とスージーさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして人間との生活を始めたシャウナとシェーンは、もう避難場所や食べ物の心配をする必要はありません。親子はこれからもお互いに寄り添いながら、大きな音で喉をゴロゴロと鳴らし続けていくことでしょう(*´ω`*)
出典:susiesfosters/lovemeow