ある日、アグニエシュカさんがイタリアの街を彷徨い歩く体調不良の小柄な老猫に出会いました。猫は汚れていて弱々しくて、自力で冬を越すことができなくなっていました。
猫は生まれてからずっと野外で暮らしてきたようで、全身の毛にツヤがなく、切実に獣医さんの治療を必要としていました。アグニエシュカさんは衰弱していた猫をためらうことなく路上から救い出しました。
『ドリー・パートン』と名付けられた猫は約10歳で、これまでずっと厳しい環境の中で命を繋いできました。
以前ポーランドの保護施設でボランティアをしていたアグニエシュカさんは、ドリーがより良い生活を送れるように、ポーランドに住む動物保護活動家のマグダレナさんに連絡をして助けを求めました。
マグダレナさんはドリーを引き取ることに決めて、ドリーのために快適な環境を用意しました。
一方のドリーはしっかりと検査されて、海外に渡航するための全ての手続きを終わらせました。そして飛行機に乗ってポーランドへと移動して、マグダレナさんの家に到着しました。ドリーは長旅で疲れていて、新しい環境に戸惑っていたため、ほとんどの時間を部屋の隅で過ごしていました。
ドリーは歯茎に重度の炎症を起こしていて、食べることが困難になっていたため、マグダレナさんはぬるま湯で溶いたウェットフードを用意しました。またドリーの胸にはしこりがあり、切除する必要がありました。
それから数日が経つと、ドリーは新しい環境に少しずつ慣れ始めました。そんなドリーを先住猫の『マライカ』が喉を鳴らしながら出迎えると、ドリーはさらに緊張感を和らげることができました。
ドリーはゆっくりと自分の殻から出てきて、窓辺で日光浴ができる場所を見つけました。「毎朝ドリーは私が姿を現すまで、窓辺で太陽の光を浴びながら待っているようになりました」とマグダレナさんが言いました。
さらにドリーは数匹の保護子猫達とも仲良くなって、ベッドの中で寄り添うようになりました。無邪気な子猫達と一緒に過ごす時間は、さらにドリーの心に安心感を与えました。
その後、ドリーが悪くなっていた歯を抜いて歯茎の治療を行うと、まるで新しい猫になったかのように大きく変わりました。「私がドリーの耳の後ろを掻くと、彼女は嬉しそうに喉を鳴らし始めました。どうやらそこが彼女の一番好きな場所のようです。」
「ドリーは徐々に私達のことを信頼していき、もう隠れる必要がないことを理解すると、リビングルームに姿を現すようになりました。」
ドリーはリビングルームのテーブルの下にある椅子に飛び乗って、少し隠れながらも家族のそばで過ごすようになりました。「それはドリーにとって大きな一歩でした。」
「そしてある日私が帰宅すると、ソファの毛布の上にドリーが座っていました。私が近づいて行って抱きしめると、彼女はとっても幸せそうな姿を見せてくれました。」
ドリーはその日、マグダレナさんに完全に心を開いたのです。
ドリーは毛布の上に横たわって、毛布の柔らかさを感じながらくつろぐことが大好きになりました。さらにドリーはマグダレナさんと一緒にソファの上で寄り添うことが日課になりました。ドリーはマグダレナさんに耳の後ろや頭を撫でて欲しいとおねだりして、願いが叶うと幸せそうにとろけました。
ドリーはマグダレナさんの愛情に心から満足していて、最高の幸せを感じているのです。
これまでずっと路上で命を繋いできたドリーは、温かい手を差し伸べてくれた優しい人達のおかげで人生が永遠に変わりました。ドリーは寒い冬を暖かいベッドで過ごすことができ、いつも近くには美味しい食べ物が用意されていて、たくさんの仲間に囲まれながら、快適な家の中で心ゆくまでくつろぐことができるのです。
これからもドリーは日々の暮らしに大きな幸せを感じながら、いつまでも愛情いっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:tymczasemumagdy/lovemeow