ある日、地域猫達の世話をしているヘレン・ポパムさんがいつものように庭にご飯を用意すると、すぐに数匹の猫達が近づいてきました。その中に新しく庭にやって来た『リッキー』という名前のキジトラ猫がいました。
リッキーはアライグマとボブキャットを掛け合わせたような姿をしていて、特徴的な大きな頬を持っていました。リッキーはあまり人間慣れしていなかったため、人間の前では非常に緊張していました。またずっと路上で暮らしてきたようで、身体中に戦いの傷跡がありました。
ヘレンさんは地元の保護団体に連絡をした後、リッキーがご飯と避難場所を求めて、この地域を数年間彷徨い歩いていたことを知りました。
「リッキーがたくさんの怪我を負っていることが分かった時、私達は彼を保護するために人間に慣らしていくことに決めました」とヘレンさんが言いました。
リッキーは非常に食欲が旺盛だったため、頻繁にヘレンさんの家の庭を訪れるようになって、次第にヘレンさんが近くにきても逃げなくなりました。さらにリッキーはまるで戦いの真っ只中にいるかのような力強さで、ヘレンさんの手からご飯を奪うようになりました。リッキーは毎回全てのご飯を平らげて、ボウルを舐めて綺麗にしました。
そんなリッキーをヘレンさんが優しく撫でようとすると、威嚇音を出しながら激しく拒否しました。
「ある日、リッキーが庭に現れた時、彼が他の動物に噛まれてひどい膿瘍を患っていることに気づきました。その姿を見た私達は、彼をできるだけ早く獣医さんのところに連れていく必要があると感じました。彼は怪我によって弱っていたため、私達は彼を捕まえることができました。」
ヘレンさんはリッキーが回復できるように、ガレージに静かで快適なスペースを用意しました。「私達はリッキーがどのような反応を示すか心配していました。でも驚いたことに彼は新しい環境に素早く順応して、日に日に体調が良くなっていきました。」
さらにガレージの快適さと安心感が、少しずつリッキーの心の壁を削り取っていきました。リッキーはヘレンさんのことを徐々に受け入れていって、本来の優しい性格が表に出てきました。
適切な治療によってリッキーの膿瘍は治り、全身のエネルギーが増していって、食欲も急増しました。リッキーはヘレンさんのことを確実に信頼していき、頭を撫でることも許しました。
その後、キッチンからご飯が来ることが分かったリッキーは、勇気を出して家の中に足を踏み入れました。
リッキーはキッチンまで行くことに成功するたびに急いでガレージに戻って、干し草のベッドに横たわりながら、再び家の中に探索に向かうための1日分の勇気を充電しました。
リッキーの自信は日を追うごとに増していきました。リッキーは自らナデナデを要求するようになり、撫でられるたびにとろけました。さらにリッキーが家の中に滞在する時間が徐々に長くなっていき、最後はついに外に出なくなったのです。
「私達は約4ヶ月間、外でリッキーを世話してきましたが、彼が家の中で過ごすようになってからは一気に信頼関係が深まっていきました。彼は定期的にナデナデを求めてくるようになって、ますます愛情深くなっていきました。」
リッキーはもう野良猫ではなく、正式にヘレンさんの家族の一員になったのです。
「獣医さんはリッキーが非常に野生的だったことを知っていたため、彼の大きな変化に驚いて、室内生活を始めたことをとても喜んでくれました。」
リッキーはすぐにキャットニップのオモチャに惹かれて、前足でそれを掴みながら夢中で顔を擦りつけるようになりました。
そしてリッキーはヘレンさんや家族と一緒にクリスマスを過ごし、とっても愛らしい姿を披露してくれました。
リッキーは最近ようやくヘレンさんの部屋をチェックすることを決めて、そこで気持ち良さそうなベッドを発見しました。「リッキーは私のベッドがとても気に入ったようで、いつも昼寝場所にしています」とヘレンさんが嬉しそうに話してくれました。
またリッキーは家の中で家族の後を追いかけたり、監視したり、寄り添いながら昼寝をしたりするのが大好きです。今のリッキーは自分が愛されていることを知っていて、いつもお腹をいっぱいさすってもらったり、柔らかいものを幸せそうにこねたりしているのです。
こうして庭に現れたリッキーは、優しいヘレンさんのおかげで新しい人生を歩み始めることができました。リッキーはこれからも大好きな家族にたくさん甘えながら、安全な家の中で充実した毎日を送っていくことでしょう。
出典:ourferalfamily/lovemeow