ある日、1匹の野良猫が保護施設『フレンズウッド・アニマル・コントロール』に運ばれてきました。猫は妊娠中に他の動物と戦ったようで、足に怪我を負って感染症に苦しんでいました。施設のスタッフ達は猫を助けるためにあらゆることを試みましたが、悲しいことに子猫達を産んだ1週間後に息を引き取りました。
母猫が亡くなった後、『マーティン』と『プーラ』と名付けられたキジトラの子猫達は、驚くほどの強い絆で結ばれました。ふたりはお互いに寄り添い合って、常に一緒にいるようになったのです。
「ふたりはいつも一緒にいて、どちらか一方だけが別の場所に行くことはありません。マーティンがいるところには必ずプーラがいて、プーラがいるところには必ずマーティンがいます。そのためどちらかがケージの外に出ると、もうひとりが必ずその後に続きます」とスタッフのトロイさんが言いました。
そんなある日のこと、巨大なハリケーンが施設を襲いました。幸いにも建物が壊れることはありませんでしたが、停電によって電気が止まり、猫部屋の温度が下がってしまいました。そしてそれが原因で、プーラが感染症を患ってしまったのです。
出典:Friendswood Animal Control
「マーティンはプーラが病気になったことにすぐに気づきました。マーティンはプーラを温めるために、プーラの上に覆い被さりました。そしてマーティンはそれ以降、プーラを噛んだり、レスリングをしたり、耳で遊んだりしなくなりました。さらにその場から全く動かなくなって、食べることも飲むこともしなくなりました。そのため私達はマーティンにスプーンでご飯を食べさせたり、水を飲ませたりする必要がありました。」
「そんなマーティンのおかげでプーラは2日後には少しだけ元気を取り戻して、再び鳴くようになりました。その声に気づいた私達が様子を見に行くと、プーラを守るためにマーティンが強く威嚇してきました。それほど気が立っているマーティンの姿を見たのは初めてだったため、私達はとても驚きました。」
マーティンはまだプーラが完全に回復していないことを知っていました。そのためプーラが完治するまでの間、全てのことからプーラを守ることを決心していたのです。
幸いにもプーラは順調に回復していき、完全に健康な状態に戻ることができました。そして以前と変わらずマーティンとプーラは一緒に遊び回って、幸せそうに抱き合うようになったのです。どうやらふたりはお互いのことを自分の身体の一部のように思っているようです。
出典:Friendswood Animal Control
その後、マーティンとプーラは同じ里親さんの家に迎えられて、今も一緒に暮らしています。きっとこれから先もずっと、ふたりがお互いのそばを離れることはないでしょう。
マーティンとプーラの人生は決して平坦な始まりではありませんでしたが、今は生涯の家で幸せな毎日を送っています。ふたりはこれからもお互いの存在を確認し合いながら、いつまでも幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:Friendswood Animal Control/thedodo