ある日、地元でTNR活動(野良猫の不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す活動)をしている団体が、猫のコロニーで子猫達を保護しましたが、そのうちの2匹の体調が非常に悪い状態でした。
そんな子猫達の話を聞いた保護施設『コミュニティー・キャット・クラブ』の創設者のサラ・シャープさんは、すぐに子猫達を引き取ることに決めました。保護された子猫達の中で茶白猫の『コーラ』が最も具合が悪い状態でしたが、コーラは残された僅かな力で必死にしがみついてきました。
「私達がコーラを引き取った時、彼はほとんど反応を返すことができず、低体温と貧血に陥っていて、ひどく衰弱していました。私達は彼の命を救うために行動を起こしました」とサラさんが言いました。
サラさんはコーラのエネルギーを高めるために砂糖水を与えながら、温熱パッドで体温を温め続けました。
コーラの身体にはたくさんのノミがついていて、重度の上気道感染症を患っていました。コーラの全身は非常に荒れていて、サラさん達はコーラが命をつなぐことができるかどうか確信が持てませんでした。
しかし、サラさんはたとえコーラが命をつなぐことができなかったとしても、コーラに温かさと愛情を感じてもらいたいと思いました。そのためサラさんがコーラを抱きしめると、コーラはその温もりに幸せを感じ、それが自分の運命と戦い続けるための力になったのです。
やっと目が開けられるほどの状態だったコーラですが、サラさんに撫でられるとゴロゴロと喉を鳴らし始めました。コーラが回復するためには長い時間が必要でしたが、コーラはその強い意志で少しずつ前進し続けました。
「コーラはその後も治療を続け、徐々に快方へと向かっていきました。」
その後、コーラは保育器を卒業してベビーサークルへと引っ越しました。コーラの荒れていた目は日を追うごとに澄んでいき、食欲が旺盛になって、全身のエネルギーが急上昇しました。さらにコーラは完全にハグ好きの子猫に変わり、出来る限り人間の注目を集めようとするようになったのです。
そして最終的にコーラは、保護施設にいる兄弟達に会えるほどに回復し、兄弟達との再会を果たすと一気に個性が開花しました。
出典:communitycatclub
コーラは兄弟達の冒険に加わって、みんなと一緒に走り回ったり、飛び跳ねたり、プロレスごっこをしたりするようになりました。またコーラは高いところが大好きになり、一日に何度も見晴らしの良い場所に登って部屋の中を見渡すようになりました。
「コーラは毎日元気いっぱいに動き回っていますが、人間にお腹を撫でられるのも大好きです。」
保護から数週間の養育期間を経たコーラは、無事に里子に出る準備を整えました。すると素敵な家族がコーラと兄弟の『キャプテン』のとりこになって、ふたりを一緒に家族に迎えることに決めたのです。
そしてふたりが生涯の家で暮らし始めるとすぐに、新しい姉猫と仲良くなりました。姉猫はふたりが家族の膝の上で丸くなるたびにやって来て、ふたりに寄り添いながら毛づくろいを始めるそうです。
ふたりはずっと望んでいた夢の家族に出会うことができ、毎日の暮らしに最高の幸せを感じているのです。
こうして危険な状態で保護されたコーラは、みんなのおかげで元気を取り戻し、新しい人生を歩み始めることができました。これからもコーラはキャプテンや姉猫、そして優しい家族の愛情を感じながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:communitycatclub/lovemeow