人生に、もふもふを。

驚くほどの強い絆で結ばれた10歳の猫達。優しい女性の元で幸せを取り戻し、自分達の夢に向かって一緒に歩み続ける

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ある日、キジトラ猫の『ミロ』と黒猫の『アンガス』は、健康上の理由で猫の世話ができなくなった飼い主さんによって、保護施設『ナッシュビル・キャット・レスキュー』に連れて来られました。ふたりは10歳の兄弟で、生まれた時から強い絆で結ばれていました。

養育主さんの家に向かっている途中、アンガスは大きな声で鳴き続け、ミロは慣れ親しんだ家を離れたことに大きな寂しさを感じていました。「私はミロを養育部屋に連れて行き、ご飯と水を用意して、気持ちを落ち着かせるために夕方までひとりにさせてあげました」と養育ボランティアのサラ・シルベスターさんが言いました。

最初の2週間、アンガスはキャットタワーの小部屋に身を隠して、ご飯とトイレの時だけ姿を現しました。一方のミロはまだ以前の家のことが強く心に残っていましたが、少しずつ新しい環境を受け入れ始めました。

サラさんは養育部屋の床に座って、ふたりに声を掛けたりしながら、ふたりが新しい環境に落ち着けるように手助けをしました。「ミロは少しずつ心を開いていき、撫でられるために私の方に近づいて来るようになりました。彼は徐々に新しい暮らしに自信が持てるようになってきて、私のことを信頼するようになってきました。」

サラさんとミロが寄り添う時間が増えるにつれて、サラさんはミロの毛が脂っぽくなっていて、目がくすんでいて、喉がひどく渇いていて、その他の健康上の問題の兆候が現れ始めていることに気づきました。そのためサラさんはすぐにミロを動物病院へと連れて行きました。

「1週間かけて様々な検査を行ったところ、ミロは糖尿病と診断されました。彼は検査の間、獣医さんの言うことを素直に聞いて、血糖検査も受け入れてくれました。」

ミロはそれから食事を変更し、動物病院に通いながら検査や治療を続けました。ミロは治療中もとても穏やかで、勇敢で、周りの人達に優しく、病気を患っているにもかかわらず気分が良さそうでした。

その間にアンガスはゆっくりと、でも確実に、周りの環境を確認しながら徐々に自分の殻から出てきました。そしてアンガスはある日、ずっと過ごしていたキャットタワーの小部屋を出る決心をして、サラさんの愛情を受け入れ始めたのです。

「アンガスは私が部屋にいると嬉しそうな姿を見せてくれるようになり、私の身体に寄り添ってくるようになりました。彼はまだ臆病で、予想外のことが起こるとすぐに警戒しますが、普段はとても甘えん坊な姿を見せてくれています。」

最初の2ヶ月間、ミロとアンガスはいつも近くにいましたが、お互いに慣れない環境で過ごしていたため、サラさんはふたりの間に特別な絆があることに気づきませんでした。しかし、サラさんが住んでいる街を嵐が襲った時、サラさんはふたりの絆がどれほど深いものだったかに気づかされたのです。

嵐の中、サラさんは街の中心部にある自分のオフィスにいました。そこでサラさんが自宅に設置してある猫用のカメラをチェックすると、予想外の光景に驚きました。「ふたりは嵐の間中ずっと部屋の隅で寄り添いながら、お互いのことを励まし合っていました。」

そんなふたりの部屋には、すぐに使える場所に猫用のトイレが3つ設置されていましたが、ふたりはいつも1つのトイレを共有していました。

さらに食事の時間もミロがアンガスのお皿からご飯を食べようとすると、アンガスはすぐにミロに場所を譲ってあげました。そのやりとりはいつもふたりの間だけで成立し、先住猫の『サム』が同じことをしようとしても、絶対にご飯を譲ることはありませんでした。

「ミロはアンガスに勇気を与える存在で、アンガスはミロに安らぎを与える存在です。ふたりは生まれた時からずっと一緒に生きてきた兄弟で、常にお互いに愛情を注ぎ合っています。」

「ミロは勇敢で、アンガスは少し内気ですが、ふたりとも人間に愛されることに幸せを感じています。ミロはお腹を撫でられるのが大好きで、途中で撫でるのを止めると、私の手をギュッと掴んで『もっとやって』とおねだりしてきます。」

一方、アンガスが人間の愛情を必要としている時は、躊躇することなく大きな声で話しかけてきます。アンガスのお気に入りの趣味は日光浴で、いつも窓辺でリラックスしながら太陽の温もりを楽しんでいるそうです。

そんなふたりはサラさんと一緒に、『毎晩のルーティーン』を確立しました。「ふたりは毎晩7時頃に私のベッドに入って、私が来るのを待ち始めます。そして私がベッドで横になると、アンガスが私の左側に寄り添って、ミロが右側に寄り添ってきます。」

「ふたりは人間の愛情によって成長していて、私の知り合いが訪ねて来ると、すぐに友達になって一緒に遊ぶようになりました。ふたりはとっても愛情いっぱいで、いつも家の中で幸せそうに過ごしています。」

「ふたりが変わっていく姿を見ることができたのは本当に幸せなことでした。ふたりはとっても人間好きで、生涯の家族との出会いが今から待ちきれないようです」とサラさんが嬉しそうに話してくれました。

こうして以前の飼い主さんと別れたミロとアンガスは、サラさんの家で新しい人生をスタートさせることができました。ふたりは半年間サラさんの家で過ごしたことで大きく変わり、幸せな未来に向かって歩み続けているのです。
出典:herekittykittyfosterlovemeow

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