ある日、路上で横たわっている1匹の子猫が発見されて、地元の動物病院へと運ばれてきました。子猫はとても衰弱していて、頭部に怪我があり、ひどい栄養失調と脱水症状で頭を上げることもできませんでした。
子猫は9週齢ほどでしたがとても身体が小さく、3週齢ほどの大きさしかありませんでした。子猫は獣医さん達の適切な治療のおかげで徐々に元気を取り戻し、他の子猫と同じように行動できるようになっていきました。
そんな中、動物保護活動を行なっている『ウィズ・グレイス』の創設者のダニエルさんが、子猫とは別の猫に会うために、夫と一緒に動物病院へとやって来ました。「私達はそこで初めて子猫に出会い、一瞬で引き寄せられました。でも彼女はまだ獣医さんの世話が必要だったため、私達は後ろ髪を引かれる思いで動物病院を後にしました」とダニエルさんが言いました。
夫婦はその後も子猫のことが頭から離れませんでした。そしてそれから数日後、ダニエルさんは獣医さんからのメッセージを受け取りました。「獣医さんはスタッフから私が子猫のことをずっと見つめていたことを聞いて、私に彼女を育てることができるかを尋ねてきました。もちろん私はすぐに『はい!』と答えました。」
ダニエルさんの夫は「子猫の目が月のように大きい」と思っていたため、子猫に『ルナ』と名づけました。ダニエルさんの夫は子猫を迎えるために動物病院へと車を走らせて、帰り道に子猫用のベッドとキャットハウスを買うためにペット用品店に立ち寄りました。
この時のルナは12週齢でしたが、同じ年齢の子猫達の半分ほどの大きさしかありませんでした。
ルナの身体はとても小さかったため、その分ルナの目がとても大きく見えました。ルナは深刻な栄養失調だったことによる心雑音や白癬(はくせん。カビによる感染症)など、対処しなければならない多くの問題を抱えていました。
「今後、ルナがたくさんのご飯を食べられるようになれば、彼女の顔は大きくなってきて、目のサイズと釣り合ってくることでしょう。彼女は栄養失調に苦しんできましたが、今後二度と空腹で苦しむことはありません。」
それから数ヶ月間にわたる献身的な看病とケアで、ルナの心雑音は正常に取り、白癬が完治しました。「ルナはまだ頭に震えがあります。特に彼女が何かに集中している時は、頭の震えが強く現れます。」
しかし、そのことがルナの行動を制限することはありません。ルナはとても好奇心が旺盛で、いつも遊びに夢中になっているそうです。
ルナが回復したのは本当に奇跡的なことでした。「私達がルナを迎えた時、彼女はジャンプする方法も知りませんでした。彼女がバランスを取れるようになるまでには何ヶ月もかかりましたが、一度上手くいくと、今度は止めることができないほど元気に動き回るようになりました。」
「ルナはいつも愛らしい行動で私達の心をとりこにしています。彼女は激しく遊んで、一瞬のうちに眠りにつきます。彼女にはお気に入りのオモチャがあって、どこに行く時も引きずりながら一緒に移動しています。」
ルナが新しいオモチャを手に入れたり、ダニエルさんに遊んでもらうと、興奮しながらいつまでもはしゃぎ回っているそうです。
何ヶ月間もダニエルさんの元で養育されたルナは、全ての健康問題を克服し、ついに平均的な子猫のサイズに追いつきました。ルナの身体は十分に成長し、新しい家族の元に旅立つ準備を整えたのです。
「ルナはこれまでにとても長い道のりを歩んできました。彼女はそのお茶目な性格で、きっと生涯の家族の元にも絶え間ない笑顔を届け続けることでしょう。」
その後、ある家族がルナの前に現れて、ルナを家族の一員として迎えました。ルナのお母さんになった女性は、最初の頃からずっとルナのことを気に掛けてくれていたため、ダニエルさんはルナの未来が最高のものになることを知っていました。
「私達は心からルナのことを恋しく思っていましたが、彼女が素晴らしい家に行くことが分かっていたため、無事に彼女を送り出すことができました。きっと彼女はこれから先もずっと、最高の人生を歩んでいくことでしょう。」
現在、ルナにはラニという名前の新しい猫のお姉さんがいます。ふたりは出会ってすぐに仲良くなって、幸せな毎日を送っているそうです。
「ルナは新しい家でとても愛されています。私達は彼女が幸せになる手伝いができたことに大きな喜びを感じています。彼女はいつまでも幸せな時間を過ごしていくことでしょう」とダニエルさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして動けなくなっていたところを保護されたルナは、獣医さんやダニエルさん達のおかげで新しい人生をスタートさせることができました。きっとルナの心の中には、みんなからもらった愛情がいつまでも残り続けることでしょう(*´ω`*)
出典:fostercatsandkittens/lovemeow