これは、イギリスに住む自閉症の少女アイリス・グレースと、彼女の心の支えになっている猫のスラの物語りです。
アイリスは1歳のときに、自閉症と診断されました。親とのコミュニケーションも思うようにできず、言葉も最近話し始めたばかりです。しかし彼女は絵を描くことで、自分自身を表現することができるのです。
アイリスには並外れた集中力があり、細部まで注意を払うことができます。
その集中力が生み出す作品は多くの人々を魅了しています。
そんなアイリスですが、1人で素晴らしい作品を生み出せるわけではありません。アイリスの傍らには、スラという名前のメインクーンがいつもいるのです。
メインクーンは、ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)と呼ばれることもある猫で、頭が良く社交的な性格を持っています。スラもとても思いやりに溢れた猫です。自閉症のアイリスにとって、スラのような存在はとても重要なものとされています。
アイリスの母親はこう話します。「スラはアイリスのそばにいつもいてくれて、アイリスがやろうとすることを手伝ってくれるの。水で遊ぶときも、お風呂に入るときも、絵を描くときも、自転車に乗るときも、iPadを操作するときも、パズル遊びをするときもふたりはいつもいっしょ。アイリスとスラは友情で結ばれているの。私がアイリスと話をするときには、スラに助けられることもあるわ。」
スラは、アイリスの日々の生活の中での不安を取り除いて、落ち着かせてくれるそうです。さらにスラはアイリスを社交的にさせてくれるようで、ふたりがいっしょの時は普段よりもたくさんのお話をするそうです。
いつも一緒のスラをイメージして描いたと思われるこの絵画は、よく見るとスラの顔が浮かんでくるのです。
アイリスはスラといっしょに絵を描くことで、ずいぶんと変わりました。
お母さんの背中に乗って遊んだり、笑い声をあげてはしゃいだりするようになり、自分で考えてコミュニケーションをとれるようになったのです。
そんなアイリスの描く絵には、スラとの幸せの日々がとけ込んでいるのかもしれませんね。
This post was published on 2016/01/09