ある日、野良猫の『アヤメ』が子猫達と一緒に保護されました。その後、全ての子猫が里親さんの元へ旅立って行きましたが、アヤメを引き取ってくれる人は現れず、ついに保健所へと連れて行かれてしまったのです。
そんなアヤメを救ってくれたのが地元の保護施設のスタッフでした。「私達はアヤメの安楽死の前日に、彼女のことを知りました。すぐに保健所から彼女を引き取ると、養育ボランティアさんの家へと連れて行きました。」
また、施設のスタッフはアヤメを引き取る際に、保健所に入っていた別の子猫も一緒に助け出したそうです。
養育主さんの家に着いたアヤメでしたが、野良猫としての生活が長かったため、人間のことをとても恐れていました。そのため養育主さんの家から保護施設に戻った後も、3年もの長い間、里親さんが見つからなかったのです。
しかしある日のこと、1人の女性が施設を訪れ、その日のうちにアヤメを引き取っていきました。女性は最初から『人間を怖がっている猫』を引き取ることに決めていたそうです。
『アヤメ』という名前は、この女性が名づけました。「私の家には猫の命名規則があります。この家で暮らす全ての猫は、季節の花から名前をとっています。」
アヤメが家に来た日。
人間を極度に怖がるアヤメはベッドの下から出るのを拒み、一日中ベッドの下で過ごしました。
家に来てから5日後。
ベッドの下でじっと様子をうかがっていたアヤメは、新しい家がそんなに悪い場所ではないことに気づき始めました。それまでベッドの下で食事をしていたアヤメですが、この日からベッドの外で食事をするようになったそうです。
「アヤメはゆっくりとですが、確実に私達のことを受け入れ始めました。」
家に来てから2ヵ月後。
アヤメは女性が身体に触れることを許しました。また人間に興味が湧いてきたアヤメは、家族が家事をしている様子を興味深そうに見つめてきたそうです。
「私達はまだアヤメを撫でることができません。彼女は今も私達のことを恐れています。でも最初の頃に比べると、驚くほど前進しました!」
アヤメはもう女性から逃げたり、隠れたりしなくなっていました。また、この頃のアヤメは洗濯物に座ったり、ベッドでくつろぐようになっていたそうです。
家に来てから3ヵ月後。
アヤメはまだ気を許していませんが、女性は諦めていません。
アヤメはこの3ヶ月の間に、小さな一歩をたくさん踏み出してきました。その一歩一歩が女性や家族に大きな喜びを与えました。家族はアヤメが自分の殻を破る日が近いことを知っていました。
そんな中、アヤメが家族の耳あてを抱きしめ始めました。
そして別の日には、家族が脱いだ服に抱きついてきたのです。それはまるでアヤメが服を通して、家族に愛情を示しているかのようでした。
そして、家に来てから7ヵ月後。
ついにアヤメが女性に寄り添ってきたのです!
アヤメはこの日、優しい家族に心を開きました。
アヤメはもう人間を威嚇することはありません。家族の愛情を感じ、自らの力で殻を破ったアヤメには、幸せいっぱいの素敵な未来が待っているのです(*´ェ`*)
出典:ayameshadowcat/lovemeow