老猫の『シエナ』はずっと一緒だった最愛の飼い主さんを亡くし、保護施設へと連れて来られました。
施設に入ったシエナは、訪問者が来るたびにガラス窓に駆け寄って、手をかざし続けました。ずっと一緒に暮らしてきた飼い主さんを失って、とても寂しかったのでしょう。
高齢の猫は子猫と違い、なかなか引き取り手が見つかりません。そのため13歳で保護施設に入ったシエナも、新しい飼い主さんに出会うことができずにいました。
シエナは何度もガラスに手をかざして、愛情と関心が返ってくるのを待ちました。
そして、訪問者が興味を示してくれると、ガラスに身体を押しつけて、撫でて欲しそうにするのです。それはまるで「一緒に連れていって」と言っているかのようでした。
でも訪問者はシエナと少し遊ぶと、いつも遠ざかっていきました。シエナはその度に、寂しそうな顔で訪問者を見送っていました。その様子は猫の情報を発信するSNSで取り上げられました。
そしてついにシエナの手に答えてくれる人が現れたのです!
ある日、シエナの記事を見たテリーさんが保護施設へとやって来ました。早速テリーさんがケージに近づくと、シエナはすぐに手をかざしてきたのです。その姿はシエナが保護施設で手をかざす最後の姿になりました。
その日、シエナはついに新しい家に迎えられました。そこでシエナは『クロエ』という名前をもらい、すぐに家の女王様になったのです。
クロエはテリーさんの家に来て以来、ゴロゴロとハグが止まらなくなりました。
クロエは老猫ですが、心の中は遊び心いっぱいの子猫です。
クロエは洗濯したばかりのタオルが入った箱がお気に入りのようで、一度入るとその場所から動かなくなります。テリーさんが近づいてきても、「何か問題でも?」という顔をしてくるそうです。
クロエは料理のお手伝いもしてくれます。まるでクロエは料理の先生のようで、いつもテリーさんにアドバイスをしてくれるそうです。
テリーさんがベッドに行くとクロエが寄り添ってきて一緒に眠り始めます。そして朝になると愛情いっぱいの鳴き声で起こしてくれるのです。クロエがいれば寝坊の心配はいりません。
クロエとテリーさんが出会ってから数年が経ちましたが、ふたりは今でも一緒に幸せな毎日を送っているそうです。
こうして保護施設で訪問者に手をかざし続けたクロエは、優しいテリーさんに出会うことができました。これからもクロエは暖かい家の中で、大好きなテリーさんと一緒に幸せな時間を過ごしていくことでしょう。
出典:TabbysPlace/lovemeow