フロリダ州のキーウェスト島には、ヘミングウェイの家があり54匹の猫がそこで暮らしています。アメリカに上陸した過去最強クラスのハリケーン・イルマは、この島にも大きな被害を与えました。
ここに住む猫はみんな、6本指の足を持つ特別な猫達です。ヘミングウェイ・ホーム・ミュージアムのスタッフによると、全ての猫がハリケーンの暴風雨から避難し、無事だということです。
ヘミングウェイの家は過去にも多くのハリケーンに耐えてきました。今回もハリケーン・イルマが島に向かってきた時、スタッフ達は全ての窓を板で塞いで、猫の食料と水と薬を買い込みました。また、イルマが迫る中、猫達を心配した10人のスタッフが家に残り、猫の世話を続けているそうです。
天気が完全に回復するまでの間、全ての猫は建物の中で思い思い時間を過ごしています。
このヘミングウェイの家は小説家アーネスト・ヘミングウェイの遺産と、彼が愛した6本指の猫がいることで有名です。
多指症の猫は昔から航海中の船員に幸運をもたらすと信じられていて、航海に出る船の守り神として迎えられることがありました。そのため海に囲まれたキーウェストにも多指症の猫が暮らしていたのです。
1928年にキーウェストに定住したヘミングウェイは、この幸運の猫達について学びました。そしてしばらくすると、船の船長をしていたスタンリー・デクスターさんから、『スノーボール』という名前の多指症の猫を贈り物として受け取ったのです。
その後、ヘミングウェイはスノーボールを大切に育て、今ではスノーボールの子孫の多指症の猫は50匹以上に増えました。
この家は観光地として有名で、1年を通して多くの人が出入りしているのですが、その半分は猫を世話するスタッフだそうです。また、ヘミングウェイは多指症の猫に有名人の名前をつけていたのですが、その伝統は今もスタッフ達によって受け継がれているそうです。
ここでは50匹以上の猫が暮らしているため、1年に2トンもの食べ物が必要になります。家の周りには9つの食事場と給水所があり、スタッフ達は常に新鮮な食べ物と水を補充しているそうです。
1851年に建てられたこの家は、45センチほどの石灰岩のブロックでできていて、今までに十数個の大型ハリケーンから猫や人間達を守ってきたそうです。
現在、全ての猫とスタッフは、ヘミングウェイの家の中で完全に風が落ち着くのを静かに持っています。もしかするとこの家が長い間守られてきたのは、幸運をもたらす猫達のおかげなのかもしれませんね(*´ω`*)