お腹を空かせて庭から庭へと渡り歩いていた猫。希望を持ち続けながら1年が経つと、ついに求めていたものを手に入れる！

今から1年以上前のこと、クリーム色の猫が食べ物を探して、ある家の庭に迷い込んできました。その家はまさに、助けを必要としていた猫にとって最適な場所でした。

その家に住んでいた家族はいつも地域猫達に優しく接し、食べ物や水をテラスに置いて、猫用のシェルターも設置していました。そこに迷い込んだ猫は空腹を満たすためにご飯をむさぼり食って、命綱を見つけられたことに安堵しました。

その日以降、猫は定期的にテラスに戻ってきて、慣れてくると庭で昼寝もするようになりました。

しかし、それからしばらくすると猫は突然どこかに消えて、何週間も姿を現しませんでした。次第に気温が下がってきたため、家族は心配しながら猫が再び戻ってくることを願っていました。そしてついに猫が姿を現しましたが、他の動物に襲われたようで体に怪我を負っていました。

家族は猫を路上から救い出そうとテラスに捕獲器を設置しました。すると猫がすぐに中に入ってきました。猫はその瞬間に路上での厳しい生活に別れを告げて、新しい毎日をスタートさせたのです。

その日の夜、猫は美味しいご飯でお腹をいっぱいに満たして、穏やかな気持ちで眠りにつきました。

出典：Rescuechatonsmontreal

体中に多くの戦いの傷跡が残っていた猫は『ジャスパー』と名付けられて、安全な環境の中で体を癒し始めました。「ジャスパーの肋骨には骨折の跡があり、完全には治っていませんでしたが、幸いなことに痛みを感じていないようでした」と保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』のスタッフが言いました。

最初は疲れ果てて新しい環境を警戒していたジャスパーでしたが、決して「シャー！」という威嚇音や唸り声を出したりすることなく、ただ静かに過ごしながら室内生活に徐々に慣れていきました。「ジャスパーは養育主さんの家に来てからほとんどの時間を眠って過ごし、ゆっくりと体力を回復させていきました。」

日を追うごとにジャスパーは力強くなって、自信を深め、自分が安全だと確信しているかのように床の上を転げ回るようになりました。「ジャスパーは喉をゴロゴロと鳴らし始めました。どうやら彼は世話をしてもらえることがとっても嬉しかったようです。彼はまるでこれまでずっとこの瞬間が来るのを待ち続けていたかのようでした。」

ジャスパーは時々ひとりになることもありますが、養育主さん家族のことをとても大切に思っていて、一日の多くの時間を家族に寄り添いながら過ごしていました。

出典：Rescuechatonsmontreal

家族が帰宅するたびにジャスパーが温かく出迎えてくれて、さらにお手伝いまでしてくれました。「ジャスパーは玄関で私達に会うと鳩のような声で鳴いて、スーパーから買ってきたものを興味深そうにチェックし始めます。彼はいつも私達のそばにいて、嬉しそうな顔で私達にくっついてきます」と養育主さんが言いました。

「ジャスパーは私達に撫でられると、目を閉じて喉を鳴らし始めます。そして私達が撫でるのをやめると、もっと撫でて欲しいと甘い声で鳴いてきます。」

保護されてから数ヶ月後、ジャスパーは生涯の家を探し始めて、新しい里親さんの元に引っ越していきました。しかし、それから3ヶ月後、ジャスパーに非がないにもかかわらず保護施設に返されてしまいました。そんなジャスパーのことを養育主さん家族が再び温かく迎え入れてくれました。

ジャスパーは優しい家族と一緒になるとすぐに元気を取り戻して、家族の後をどこまでも追いかけて、家族の注意と愛情を求めました。

出典：Rescuechatonsmontreal

ジャスパーは現在、毎日大好きな家族にしがみついて、愛情のこもった視線を交わしながら、とっても大きな音でゴロゴロと喉を鳴らしています。「ジャスパーは少しでも愛情が必要な時はすぐに私達の膝に抱きついてきます。」

さらにジャスパーはオモチャの楽しさも発見して、羽のオモチャを夢中で追いかけるようになりました。またキャットニップの上で転がったり、窓辺から外にいる小さな生き物を観察したりしているそうです。

これまで何年も路上を彷徨い歩き、安心できる場所を探し続けてきたジャスパーは、この家がまさに自分の居場所だと確信していました。

「一方の家族も完全にジャスパーのことを手放せなくなって、正式に彼を家族の一員として迎え入れることに決めました。彼は安全な家の中でリラックスしていて、ソファーで眠っている最中に前足で目を隠しながら小さな舌を出している時があります。その姿はとっても愛らしく、家族の心を一瞬で溶かします」と保護施設のスタッフが話してくれました。

出典：Rescuechatonsmontreal