ある日、1匹の茶トラ猫が近所に現れて、食べ物を探して家々を回り始めました。そしてついに野良猫用のご飯が置いてある家に辿り着いたのです。
それから猫はしばらく街を彷徨った後、ご飯を求めて再びこの家に戻ってきました。その後、猫を引き取りに来る人が現れなかったため、近所の住人が心配して、助けを求めて猫の写真をSNSに投稿しました。するとすぐに地元の保護団体が反応して、猫を安全な場所まで連れて行くことに決めました。
猫は怯えていて、誰かが近づいてくると物陰に隠れてしまいました。「保護団体のボランティア達はご飯の入った捕獲器を猫の近くに設置しました。すると空腹に耐えられなかった猫がすぐに中に入ってきました」と保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』のスタッフが言いました。
こうして猫を保護したボランティア達は、必要な治療を受けさせるために動物病院に連れて行きました。「『カムクワット』と名付けられた猫はとても弱っていて、このまま寒さの中で過ごしていたら長くはもたなかったことでしょう。彼が街の中を彷徨う日々はついに終わりを迎えました。」
保護されてから間もなくして、カムクワットは安全で快適な室内生活を受け入れ始めました。
カムクワットは養育主さんによるケアを必要としていたため、保護施設の養育ボランティアが助けに乗り出しました。「カムクワットは目に感染症を患った小さな若い猫でした。彼はこれまでに様々な困難を乗り越えてきたにもかかわらず、信じられないほど甘い性格の持ち主です」と養育主さんが言いました。
適切な治療を受けたカムクワットは、栄養のあるご飯と十分な休息でようやく回復に向かい始めました。
「カムクワットは体力を取り戻し、目も回復して、本来の個性が表に出てきました。」
カムクワットは気分が良くなるとすぐに熱心に養育主さんを探すようになって、たくさんの愛情を求めるようになりました。カムクワットはいつも養育主さんの足元で横になって、身体を撫でてもらうと嬉しそうにゴロゴロと転がりました。またカムクワットは全身にエネルギーが満ち溢れて、好奇心と冒険心が開花しました。
養育主さんがオモチャを取り出した時も、カムクワットはそれを捕まえるためにすぐに飛びつきました。少し前までは怯えていて空腹だったカムクワットですが、毎日の生活を夢中で楽しむ幸せいっぱいの猫へと生まれ変わったのです。
「カムクワットは私達の近くにいるのが大好きで、一緒に遊んだり抱きしめられたりすることを楽しんでいます。彼は私達がしていることにいつも興味津々です。」
1歳になったカムクワットは心の中はまだまだ子猫のようで、常にみんなに愛されたいと思っています。「毎晩カムクワットは私達と一緒に丸くなって、満足そうに喉をゴロゴロと鳴らしています。」
カムクワットは養育主さんの後をどこまでもついて行って、いつも養育主さんのそばで過ごしています。もちろん養育主さんがパソコンを使っている時もカムクワットは近くに座って、可愛いアシスタントをしているそうです。
またカムクワットは優しい養育主さんのおかげですっかり膝好きの猫へと成長して、毛布にくるまりながら養育主さんに寄り添っていることもよくあるそうです。
そんな甘えん坊なカムクワットは、部屋のドアが長く閉じられたままにならないようにしています。カムクワットはいつでも養育主さんとハグをしたり、寄り添ったりできるように、常に養育主さんの姿が見える場所にいたいと思っているのです。「カムクワットはとても優しく、常に注目されたいと思っています。」
養育主さんの元で数週間を過ごしたカムクワットは、身体も随分と大きくなって、目も澄んで輝きを取り戻しました。家の外の気温は氷点下ですが、カムクワットは養育主さんと一緒に暖かく過ごしていて、毛布にくるまったりしながら大きな幸せを感じているのです。
「カムクワットは特徴的な顔をした小さな猫です。彼はたくさんの愛情を切望していて、私達に注目されると元気になります」と養育主さんが嬉しそうに話してくれました。
こうして優しい人達のおかげで路上での厳しい生活に別れを告げたカムクワットは、今では人間の温かさと愛情を全身で楽しんでいます。カムクワットはこれからもたくさんの注目を集めながら、安全な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう(*´ω`*)
出典:comrescuemontreal/lovemeow