ある日、妊娠中の猫が野外で発見されて、地元の保護施設に運ばれてきました。猫は非常に緊張していて、誰にも身体を触らせようとはしませんでした。「施設にいた全員が猫と接することができませんでした」と養育ボランティアのハイジ・シューメーカーさんが言いました。
『サンディー』と名付けられた猫には、落ち着いて子育てができる場所が必要でした。ハイジさんはサンディーを自宅に連れて帰ると、必要な設備を整えた快適な養育部屋を用意しました。
サンディーは新しい家に着いてからもハイジさんのことを警戒して、「シャー!」と強く威嚇してきました。それからしばらくの間、ハイジさんは孫の手を使ってサンディーの背中を撫でたりしながら、少しずつサンディーを慣らしていきました。
「私はこれまでの約5年間で、多くの野生的な母猫達と一緒に過ごしてきました。母猫達が室内で生活ができるかを確認するためには、多くの時間と忍耐が必要です。」
それから1週間後、サンディーは5匹の子猫達を出産しました。サンディーは子猫達を常にしっかりと守っていて、ハイジさんを攻撃することが何度もありました。
「私は忍耐強くサンディーと接し、彼女を助けるために出来るだけ冷静でいようと務めました。私は彼女に向かってゆっくりと瞬きをしたり、彼女のそばに座ったりしながら、彼女を傷つける存在ではないことを示そうとしました。」
最初の頃、サンディーはハイジさんからオヤツを受け取ろうとはしませんでしたが、ハイジさんがオヤツをお皿に入れることを許すようになりました。「サンディーがオヤツの美味しさを知ると、私がオヤツをお皿に入れることを許してくれるようになりました。このことは彼女との信頼関係を築くためにとても役に立ちました。」
愛情深いサンディーは毎日子猫達にしっかりとミルクを飲ませ、ハイジさんは子猫達の体重を記録しながら、成長が遅い子猫には補助的に栄養補給を行いました。
ハイジさんはサンディーを怖がらせることなく子猫達の世話をするために、サンディーを薄い布で覆ったりして落ち着かせました。子猫達のうちの1匹はカテーテル給餌が必要で、親子全員が上気道感染症の治療を受けました。
そしてハイジさんはサンディーが目の前で食事をするようになった時から、サンディーの進歩を感じ始めました。
3週間近くの間、サンディーはずっと威嚇音や唸り声を上げていましたが、ある時から静かにハイジさんのことを見つめてくるようになったのです。
そしてサンディーはついに、ハイジさんの手から直接オヤツを受け取ることを決心しました。それは数週間前には考えられなかったほどの大きな変化でした。そしてサンディーはハイジさんがそばにいる時に食事を楽しんだり、子猫達の毛づくろいをするようになったのです。
サンディーは美味しいオヤツを動機にして、ハイジさんのことを徐々に信頼するようになっていきました。サンディーはハイジさんがオヤツを差し出すたびに近づいてくるようになり、保護から7週間後に初めて身体を撫でさせてくれるようになりました。
さらにサンディーは威嚇音を出すのを止めて、人間と一緒の時間に喜びを感じるようになっていきました。
現在、サンディーはまるで別猫へと生まれ変わりました。ハイジさんが近づいてもサンディーはとても落ち着いていて、一緒にいることを気にしていません。「私が子猫達と遊んだり、子猫達を撫でたりしている間、サンディーはリラックスしながらくつろいでいます。それは本当に凄いことで、その姿を見るたびに私は幸せな気持ちに包まれます。」
「私は毎日サンディーと一緒に座って、何時間も彼女に安全であることを伝えようとしてきました。またオヤツを食べさせたり、子猫達の世話をしたりしながら、8週間でここまで来ることができました。」
「最初の頃のサンディーは激しく威嚇してきましたが、今の彼女は私が近づいても慌てることなく、ジッと私のことを見つめてきます。私はサンディーと一緒にここまで来れたことをとても誇りに思っていて、これまでの道のりが本当に素晴らしいものだったと感じています」とハイジさんが嬉しそうに話してくれました。
こうして固く心を閉ざしていたサンディーは、ハイジさんの愛情でついに心を開くことができました。サンディーはこれからさらに人間との生活に馴染んでいって、いつまでも安全な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:fosterkittenmama/lovemeow