猫の『マーティン』は長い間、目に感染症を患いながら路上で生活していました。マーティンはいつもご飯をくれる人の家に通っていましたが、徐々に視力が落ちていき、最後には完全に見えなくなってしまったのです。
その後、近所の住人がフラフラと歩くマーティンの姿を見て、マーティンを路上から救い出しました。
マーティンは保護団体『レッツ・アダプト・グローバル』を通して、アメリカに住むタッカーさんの元へと飛行機で移動しました。
タッカーさんは長旅を終えたマーティンに、14歳の先住猫の『キティー』を紹介しました。しかし、キティーはひとりでいることを好む性格だったようで、残念ながらマーティンを受け入れようとはしませんでした。
キティーに拒否されたマーティンはとても悲しそうでした。マーティンが近づくたびにキティーが威嚇してきたため、マーティンは少し離れた場所で寂しそうに鳴いていたそうです。
マーティンはいつも一緒にいてくれる友達を強く望んでいました。
出典:Martin tucker
そこでタッカーさんはマーティンと一緒に地元の保護施設に足を運びました。そして施設のスタッフに今の状況を説明すると、スタッフは施設にいる猫の中からマーティンに合いそうな猫を何匹か紹介してくれることになりました。
タッカーさんとマーティンは面会室で猫達が来るのを待ちました。
スタッフは一番初めに子猫を連れてきました。そして15分ほど同じ部屋で過ごしましたが、マーティンとは合わないことが分かりました。その後、スタッフは数匹の猫を連れてきましたが、どの猫もマーティンに興味を示しませんでした。
マーティンに合う猫を何とかして見つけたかったスタッフは、今度は2歳のハチワレ猫を連れてきました。すると今までの猫とは明らかに違う反応を示したのです。
出典:Martin tucker
その猫は部屋に入ると真っ直ぐにマーティンのところに向かって行って匂いを嗅ぎ始めました。そして嬉しそうにキスをしたのです。マーティンは突然のことにビックリしてその場を離れましたが、その猫はマーティンのことがとても気に入ったようで後をついてきました。
タッカーさんとスタッフはしばらくの間、部屋の中でふたりを自由にさせてみました。すると最初は戸惑っていたマーティンもすぐに警戒心を解いて、ハチワレ猫に寄り添い始めたのです。そして30分が経つ頃には、ふたりはすっかり友達になっていました。
出典:Martin tucker
タッカーさんはふたりの様子を見てとても嬉しくなりました。こんなにマーティンにピッタリの猫が見つかるとは思っていなかったのです。タッカーさんはそのままハチワレ猫を引き取ると、自宅へと連れて帰りました。
出典:Martin tucker
タッカーさんは引き取ったハチワレ猫に『ピンカートン』と名付けました。
新しい家に着いたピンカートンは慣れない環境に驚いたようで、すぐにベッドの下に隠れてしまいました。しかし、家の中が安全だと分かると徐々にベッドの下から出てきて、マーティンと一緒に楽しそうに遊び始めたのです。
出典:Martin tucker
現在、ふたりは毎日同じ部屋で眠っていて、時々同じベッドでギュウギュウになりながら寝ていることもあります。
ふたりは同じ部屋にいないと寂しくなるようで、お互いの存在が感じられなくなると大きな声で鳴き始めるそうです。
出典:Martin tucker
こうして寂しそうに過ごしていたマーティンは、ピンカートのおかげですっかり元気を取り戻すことができました。マーティンの目は見えませんが、前足で周りを確認しながら、キャットタワーも登り降りすることができます。そして大好きなピンカートンと一緒なら、どこへだって行くことができるのです(*´ェ`*)
出典:Martin tucker/lovemeow