ある日、生後2週のサビ子猫の『チーキー』が兄弟と一緒に保護施設『キャット・アダプション・チーム』に運ばれてきました。子猫達には人工哺乳が必要だったため、養育ボランティアのローラさんが手を差し伸べました。
チーキーと2匹の兄弟『チッピー』『モペット』を迎えに行ったローラさんは、チーキーがとても目立っていたため、自然と目が惹きつけられました。チーキーは子猫達の中で一番小さな身体をしていましたが、一番大きな声を持っていました。
「子猫達は私と一緒に元気に2週間を過ごしました。私は2〜3時間ごとに哺乳瓶でミルクを与え、子猫達は確実に成長していきました」とローラさんが言いました。
しかし生後4週を迎えた日に、ローラさんはチーキーが時々つまずいて転んでしまうことに気づきました。
「翌日にはチーキーの状態はさらに悪化して、ほとんど歩くことが出来なくなってしまいました。私がチーキーを動物病院に連れて行くと、抗生物質による治療が始まりました。」
チーキーを診察した獣医さんは、トキソプラズマ症の治療を開始しました。チーキーは身体を動かしたり、頭を上げたりするのに苦労していましたが、その強い意志で必死に病気と戦い始めました。
チーキーはミルクの時間が来るたびに、早く大きく強くなろうとして、たくさんのミルクをお腹の中に入れました。ローラさんはチーキーがトイレに行くのを手伝って、ミルクの時もチーキーの身体をしっかりと固定しながら飲ませてあげました。
「治療を始めてから2週間ほどが経つと、チーキーの身体に徐々に変化が見え始めました。」
チーキーの足に力が戻ってくると、少しずつ起き上がれるようになり、動き回ったり、兄弟と一緒に遊んだりできるようになりました。チーキーはまだよく転びますが、徐々にバランスが取れるようになってきて、ミルクを飲む時の姿勢も確実に安定していきました。
再び立ち上がれるようになったチーキーを止めるものは何もありませんでした。チーキーは転ぶたびに起き上がって、目標に辿り着くまで前進し続けたのです。
随分と活発になったチーキーは、兄弟が自分の周りを駆け回る姿を見て、自分も兄弟のように動き回りたいと強く思いました。チーキーは兄弟に追いつくために毎日努力を続け、その途中で喉のゴロゴロ音も取り戻すことができました。
「兄弟の存在がチーキーにたくさんのエネルギーを与えていました。兄弟はチーキーが動き回れるようになるための助けになっていました。」
生後7週でついに1ポンド(約453g)を超えたチーキーは、現在も日々進歩を続けています。
「チーキーは立ち上がれない子猫から、ノンストップで走ったり飛び跳ねたりする子猫になりました。彼女はひとりでトイレに行くこともできるようになり、最終的に自分でご飯が食べられるようになりました。」
チーキーがお皿から離乳食を食べられるようになるまでには長い時間がかかりましたが、兄弟やローラさんの愛情でついにそれを成し遂げることができたのです。
「チーキーは大変な時期を乗り越え、ここまで来ることができました。彼女は大きな個性を持っていて、確実に大きく強く成長しています。」
「今のチーキーは全身からエネルギーが溢れ出していて、目覚めている時はいつも動き回っています。きっと彼女はすぐに高いところにジャンプできるようになり、私達を驚かせてくれることでしょう。」
チーキーは人間のことも大好きで、いつもローラさんの肩に登って周りの景色を楽しんだり、アゴの下で昼寝をしたりしているそうです。
「8週間前はチーキーがここまで来れるとは思っていませんでした。でも今の彼女は毎日元気いっぱいで、エネルギーを使い果たすまで全力で遊んだり駆け回ったりしています。」
そしてついにチーキーは先週末に生涯の家へと旅立っていきました。チーキーは既に新しい環境に随分と馴染んでいて、たくさんのイタズラで家族のことを喜ばせているそうです。
「チーキーの新しいお母さんは、彼女を先住猫の『スノーボール』と『キッシー』に紹介するのをとても楽しみにしています」とローラさんが嬉しそうに話してくれました。
きっとチーキーはすぐに先住猫達とも仲良くなって、みんなで一緒に楽しい毎日を送り始めることでしょう(*´ω`*)
出典:fosterkittenpdx/lovemeow