ある日、夫婦が自宅の庭で過ごしていると、今までに出会ったことのない白黒の猫が姿を現しました。そして夫婦と目が合うと、一直線に近づいて来たのです。
「猫は私のところまで歩いて来て、そのまま背中に飛びついてきました。彼はすぐに顔を擦りつけてきて、私の身体に登りました。私は彼のことを『パーソナルスペース・キャット』と呼ぶことに決めました」と女性は言いました。
女性は猫の耳が少しカットされていたため、地域猫として育てられていることに気づきました。猫は女性のことをとても気に入ったようで、大きな音で喉を鳴らしながら、女性の顔にスリスリし続けたそうです。
そんなフレンドリーな猫に女性は『キメラ』と名づけました。
その後、寒い時期を迎えて一気に気温が下がり、ついに雪が降り始めました。そのため夫婦はキメラを家の中に避難させることにしました。
家に入ったキメラは早速フカフカのベッドを占領して、ここが自分の家だと主張してきたそうです。
「キメラは毎晩、私達に話しかけてきます。彼は私達とは別の部屋で過ごしていたのですが、私達がその部屋の電気をつけると、すぐに駆け寄ってきました。」
「私達にペットを飼う準備ができていたかは分かりませんが、キメラは確実に家猫になる準備ができていました。」
キメラはとても愛情に溢れていて、抱きしめられるのが大好きでした。キメラは夫婦が一人でいる時は、寂しくないようにと、必ずハグをしてくれたそうです。
「私達はクリスマスの日にキメラを正式に家族に迎えることに決めました。そして私達は健康診断や予防接種のために、彼を動物病院へと連れて行きました。」
「でもそこで獣医さんから予想外の言葉が返ってきました。『彼には別の家族がいるようだ』と言われたのです。キメラにはマイクロチップが入っていました。」
「獣医さんがキメラの飼い主さんの情報を調べるために部屋を出ると、私は思わず泣いてしまいました。」
「私はキメラのことが心から好きになっていました。私はこれでキメラとお別れしなければならないと分かり、涙が止まりませんでした。」
その後、獣医さんが戻ってきて、キメラの過去について話してくれました。子猫だったキメラは死の淵を彷徨っていた時に保護されたそうです。そして、元気を取り戻した後に去勢され、マイクロチップを入れて、地域猫として解放された猫でした。また、キメラの年齢が4〜5歳だということも分かりました。
キメラには決まった飼い主さんはおらず、野良猫のコロニーで暮らしていました。また、登録されていた名前は『マイケル』だったそうです。
「獣医さんは私に『おめでとう』と言いました。飼い主さんがいなかったキメラは、正式に私達の猫になったのです!」
「でも実際にはキメラが私達の猫ではなく、私達がキメラのものです!」
こうしてフレンドリーな地域猫のキメラは、自ら愛する家族を選びました。それ以来、キメラは夫婦にピッタリと寄り添いながら、幸せそうに抱きしめ続けているそうです♪
「私はキメラにとても感謝しています。彼は本当に素晴らしい家族です!」と女性は嬉しそうに話してくれました。
これからもキメラは大好きな夫婦に寄り添いながら、たくさんの幸せを届け続けることでしょう(*´ω`*)
出典:Fleurdangereux/lovemeow