ある日、カナダのモントリオールに住む女性が、歩道に横たわっている小さな子猫を発見しました。心配に思った女性が子猫に近づくと、子猫が微かに息をしている状態で、とても衰弱していることが分かりました。
「女性は横たわっている子猫を発見して、とても驚きました。女性は子猫をそのままにしておくことができず、すぐに保護して地元の動物病院へと連れて行きました」と保護施設『シャトン・オルフラン・モントリオール』のセリーヌ・クロムさんは言いました。
子猫は非常に痩せ細っていて、ノミに覆われ、脱水症状に陥っていました。子猫の身体はとても冷たくなっていたため、獣医さん達はすぐに全身を温め始めました。子猫は生後4週でしたが、体重は僅か300gしかありませんでした。
しばらく身体を温めてもらった子猫は、ようやく正常な体温に戻ることができました。獣医さん達は子猫に水分を与え、傷を治療し、抗生物質で感染症の治療を行いました。子猫はまだ危険な状態でしたが、誰かにそばにいてもらいたくて、一生懸命に鳴いてきたそうです。
子猫はまだ幼かったため、世話をしてくれる養育主さんが必要でした。そこで動物病院で働くナタリーさんは、シャトン・オルフラン・モントリオールに連絡をして、助けを求めたのです。
「ナタリーさんは子猫の命を助けるために、自分ができることの全てを行いました。そして子猫はその日の夜に養育主さんの家に運ばれて、安全な場所で夜を過ごすことができました。」
保護施設のスタッフ達は、子猫に『マディー』と名づけました。マディーは夜の間に何とか峠を越えて、徐々に回復へと向かい始めました。
「マディーはまだ体温調整ができなかったため、養育主さんは電気パッドを使って、彼女の身体を温め続けました。」
「マディーはいくつかの病気を患っていたため、予断を許さない状態でした。マディーが命をつないだのは、本当に奇跡的なことでした。」
マディーの体重はなかなか増えませんでしたが、幸いなことに食欲は旺盛でした。マディーはエネルギーが足りなくなると、たくさんのご飯でお腹を満たしたそうです。
「マディーはすぐに優しい養育主さんのことが大好きになりました。それが彼女に生きる力を与えて、彼女の命を救いました。」
マディーは常に愛情とハグを求めてきました。またマディーは養育主さんがしていることの全てを知りたいようで、いつも養育主さんの後を追って、家の中を歩き回っていたそうです。
「マディーは人間のことが大好きで、誰かに可愛がってもらうと、すぐに寄り添い始めます。彼女は常に誰かと一緒にいたいようです。」
養育主さんのおかげですっかり甘えん坊になったマディーは、とってもハグ好きの子猫へと成長しました。
いつも養育主さんと一緒にいたいマディーは、バスルームのドアが閉まっていると、ドアが開くまで大きな声で鳴き続けるか、ドアの前から一歩も動かずにじっと待っているそうです。
「マディーが私達の施設に運ばれて来た時は、ほとんど呼吸をしておらず、生死の境を彷徨っていました。でも彼女はたくさんの愛情を注がれて、再び元気を取り戻すことができました。もしあの時彼女が保護されていなかったら、彼女は今頃、この世にはいなかったことでしょう。」
そして、生後4ヶ月を迎えたマディーは、ついに生涯の家を見つけました。
マディーは新しい環境にもすぐに慣れて、新しい家族と共に愛情いっぱいの生活を送っているそうです。
「マディーは現在、たくさんのハグをしてくれる優しい家族に囲まれています。彼女はこれからも大好きな家族にたっぷりと甘やかされながら、幸せな毎日を送っていくことでしょう」とセリーヌさんは嬉しそうに話してくれました。
出典:Rescuechatonsmontreal/lovemeow