黒猫の『アレサナ』とキジ白猫の『セン』は、長い間ずっと一緒に暮らしてきました。ふたりは一日のほとんどの時間を一緒に過ごし、抱きしめ合ったり、楽しそうに遊んだりしていました。そんなふたりが一番好きだったことは、お互いの耳を毛づくろいして綺麗にすることでした。ふたりは深い絆で結ばれていて、誰にも引き離すことはできませんでした。
しかし、アレサナはガンと診断されて病院で息を引き取りました。
出典:Emma Pearce
家族は残されたセンにアレサナが亡くなったことを伝えようとしましたが、説明するのは不可能でした。家族はセンが親友を探し回っている姿を見て、とても胸が苦しくなりました。
「もしかするとセンはアレサナがこの世を去ったことに気づいていたのかもしれません」と飼い主さんのエマ・ピアースさんが言いました。
「センは玄関の隣の窓に座って、何時間も外を見つめていました。そして、アレサナがいつも過ごしていた部屋を何度も歩き回っていました。」
出典:Emma Pearce
そんな中、家族はアレサナの遺灰と足跡と毛の束を受け取りました。エマさんはそれがセンを悲しみから救うための手助けになるかもしれないと考えました。
出典:Emma Pearce
そこでエマさんはアレサナの毛の束をセンに見せてみました。
出典:Emma Pearce
するとセンはすぐに反応を示したのです。
出典:Emma Pearce
「センは毛の束を見た瞬間から毛づくろいを始め、顔を擦りつけました。」
その姿を見たエマさんは、センがその毛の束がアレサナのものだとすぐに分かったように感じました。そしてエマさんはセンが今の状況を受け入れて、前に進む手助けになることを望みました。
出典:Emma Pearce
「私達はできるだけ多くの抱擁と愛情で、センが寂しさを感じないようにしています」とエマさんが話してくれました。
エマさんはその後も何度か毛の束をセンに見せましたが、そのたびに同じ反応を示したそうです。
エマさんは今後、みんなの心の準備が整ったら、大切なアレサナのことをいつでも思い出せるように、毛の束で小物を作ろうと考えているそうです。アレサナは虹の橋を渡りましたが、家族はその小物を通して、これからもずっとアレサナの存在を身近に感じていくことでしょう。
出典:Emma Pearce/thedodo