夏の初めのこと、独りぼっちでデッキの下に隠れていた迷子の子猫が発見されました。子猫はお腹を空かせていて、とても痩せ細っていて、眼感染症を患っていました。
幸いなことに子猫は自分が今一番必要としている場所に辿り着いていました。この家には保護施設『スパークル・キャット・レスキュー』で以前ボランティアをしていた女性が住んでいて、女性は子猫を保護すると、保護施設の創設者のステファニー・グランサムさんに助けを求めました。
ステファニーさんは子猫を引き取ることに決めて、子猫を迎え入れるとすぐに目の治療を行い、体重を増やすために動き始めました。
子猫は抱っこされるとすぐにゴロゴロと喉を鳴らし始めて、食事の時間が来るたびにたくさんのご飯が食べられることに喜びを感じていました。
ステファニーさんは子猫が養育主さんの家に行けるくらいに元気になるまでの間、子猫の世話をすることに決めていました。そして2日後、子猫の目は随分と綺麗になって、身体の回復と共に元気を取り戻していきました。すると子猫は体重を増やし始め、楽しそうに家の中を走り回るようになったのです。
「子猫は遊び好きで、好奇心が旺盛で、身体の回復もとても早いです」とステファニーさんが言いました。
その後、養育ボランティアのリサさんが子猫に出会うと、一瞬で夢中になりました。リサさんは以前から茶トラの猫を家族に迎えたいと考えていましたが、先住猫の『ムーンパイ』が子猫を受け入れてくれるかが心配でした。
「私は子猫の性格がムーンパイにピッタリだと感じました。子猫は恐れ知らずの性格で、決して諦めることはありません」とリサさんが言いました。
『ファイアボール』と名付けられた子猫は、リサさんの家の環境にすぐに馴染んで、オモチャで遊んだり、部屋の中で活発に動き回ったりするようになりました。「ファイアボールはとっても遊び好きで、起きている間中ずっと動き回っています。」
ファイアボールを迎えたムーンパイは体重が5kgほどありましたが、体重が1kgにも満たないエネルギーの塊に不安を感じていました。「でもムーンパイは私が想像していたよりも落ち着いていました。」
一方のファイアボールは、一緒に遊ぶことのできる友達に出会えたことに大喜びしていました。ファイアボールはムーンパイよりもずっと小さいにもかかわらず、「一緒に遊ぼう!」とアピールして、何度もレスリングを挑んでいきました。
ファイアボールは家の至るところでムーンパイの後を追いかけました。どうやらファイアボールはムーンパイに対して、「自分達は一生の親友になる運命だ」ということを納得させようとしているようでした。
そしてファイアボールが遊び疲れると、ムーンパイの隣で丸くなって、ムーンパイのことをジッと見つめ始めました。そんなファイアボールの猛アプローチによって、1週間も経たないうちにムーンパイの心に変化が起きました。
ムーンパイは小さなおてんば姫がとっても気になるようになって、ファイアボールを受け入れることに決めたのです。
そしてムーンパイはファイアボールを窓辺にあるお気に入りの場所へと招待しました。その場所で窓の外の小さな生き物達に夢中になったファイアボールは、ムーンパイと一緒に静かなひと時を楽しむようになりました。
ファイアボールのことを受け入れたムーンパイは、自分のシッポに無邪気に飛びついてくるファイアボールを許すようになりました。また新しい朝の日課として、チュ〜ルを巡る戦いを楽しむようになりました。
ファイアボールはリサさんの家にやって来た時の2倍の大きさになり、完全にこの家の生活に溶け込みました。ファイアボールはお気に入りのオモチャを持ち歩いたり、ムーンパイと一緒にイタズラをしたりしながら、毎日をエネルギー全開で過ごしているのです。
「ファイアボールはみんなの心を奪いました。そしてムーンパイはいつも楽しそうにファイアボールと遊んだり、追いかけっこをしたりしています」とステファニーさんが言いました。
ファイアボールが家にやって来る前は、ムーンパイはよくリサさんが経営しているステンドグラスのお店に行って、お客さんに挨拶をしたり、ハグをしたりしていました。
そんな人間好きのムーンパイですが、ファイアボールと出会ったことで以前とは少し行動が変わりました。
「ムーンパイは時々、リサさんとお店に行くよりもファイアボールと一緒にお留守番することを選ぶようになりました。そんなとっても仲良くなったふたりの姿に、リサさんはいつも喜びを感じています」とステファニーさんが話してくれました。
こうしてデッキの下で発見されたファイアボールは、保護先で出会ったムーンパイに対して「ずっと一緒に暮らすべきだ」と説得しました。そんなファイアボールの思いはしっかりと届いて、今のふたりは快適な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っているのです(*´ω`*)
出典:sparklecatrescue/lovemeow
This post was published on 2024/09/10