ある日、生後4週の迷子の子猫が細い路地で見つかりました。発見者はすぐに地元の保護施設『テンス・ライフ・キャット・レスキュー』へと連絡をしました。
発見者からの電話を受けた保護施設のボビーさんは、すぐに現場へと向かいました。
ボビーさんが初めて子猫を見た時、既に死んでいるのではないかと思うほど、子猫が全く動きませんでした。ボビーさんは子猫の小さな足に触れましたが、全く反応はありませんでした。
しかし、ボビーさんが子猫の様子を確認していると、ほんの少しだけ頭をボビーさんの方へと向けたのです。ボビーさんはまだ望みがあることを知って、急いで保護施設へと連れて帰りました。
出典:Lincoln
子猫は4本の足の全てが麻痺していました。すぐに獣医さんにレントゲンを撮ってもらいましたが、足に骨折などは見つかりませんでした。さらに獣医さんが足をつまんで反応を見ると、子猫の足に感覚があることが分かったのです。
ボビーさんは獣医さんに、脊髄の損傷か神経の負傷による麻痺の可能性が高いことを伝えられました。しかし、子猫の足を回復させるための明確な方法が分からなかったため、ボビーさんは様々な治療法を試して、最善の方法を探ることにしたのです。
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ボビーさんは子猫を安心させるために、暖かいベッドへと連れて行きました。そして、子猫がどんな反応を示すかを見るために、子猫の目の前で指を振ってみました。すると子猫は懸命に指を目で追って、一生懸命に前足を伸ばして指を掴もうとしたのです。ボビーさんはその姿を見て、胸が熱くなりました。
「私はその時のことを決して忘れません。子猫からは動けるようになりたいという意志が溢れていました。」
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「子猫の治療は1日に5〜6回ほど行う必要がありました。また、食べ物とお風呂の世話、他にもたくさんのケアが必要でした。」
それはとても大変なことでしたが、ボビーさんは子猫の状態を少しでも良くするために、何でもすることを心に誓っていました。
ボビーさんは巻いたバスタオルを2つ並べて、中央にくぼみを作りました。これで子猫は自分で身体を支えながら、足を動かす練習をすることができるようになりました。
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また、ボビーさんは子猫に強く生きて欲しいという想いを込めて、子猫に『リンカーン』(愛称はリンキー)と名付けたそうです。
保護された最初の週、リンキーには物理療法(温熱、寒冷、電気刺激、光線などによる治療)と24時間体制のケアが続けられました。そしてある日、ボビーさんがリンキーの背中を撫でていると、リンキーの足が少し曲がるのを発見したのです。ボビーさんは嬉しさのあまり声を上げて、両目に涙を浮かべました。
「これは他の猫には当たり前のことですが、リンキーにとっては非常に大きな成果でした。」
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次の週もリンキーは進歩し続けました。リンキーの足にはソファーの上を移動するための力が戻ってきて、這いつくばりながらも少しずつ移動することができるようになったのです。もっと歩きたい、もっと遊びたいという気持ちが、リンキーに大きな力を与えていました。
そしてリンキーはついに、大きな1歩を踏み出したのです!
「リンキーはグラグラしながらも自分の足で立ち上がり、一生懸命にバランスを取りながら歩き始めました。」
そしてそれから5年後、リンキーは驚くほど大きく成長しました! 現在のリンキーは他の猫と同じように、自分で何でもすることができるようになったのです。
ボビーさんは保護の1日目に「あなたは絶対に再び歩けるようになる」という言葉をリンキーに伝えました。そしてそれが今、現実のものとなったのです!
保護された時は全ての足が麻痺していたリンキーは、歩けるようになるか分からない状態から奇跡的な回復を遂げました。
リンキーは動けるようになっただけでなく、歩くことも、走ることも、ジャンプすることもできるようになったのです。リンキーの大きな変化は、周りの人達の想像を遥かに超えていました。
ボビーさんの愛情とリンキーの強い意志が、リンキーの限界を無くしたのです。
歩けるようなったリンキーの姿をぜひご覧ください!