人生に、もふもふを。

ずっと路上で生きてきた猫。優しい男性が猫の目が見えていないことに気づき、安全な家の中で新たな人生を歩み始める

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ある日、ニューヨークのブロンクスを拠点に猫達の世話をしているフアンさんが、いつものように近所の猫達の世話をしていると、1匹の三毛猫の姿を発見しました。『ベラドンナ』と名付けられた三毛猫はその日以来、毎日猫のコロニーにご飯を食べに来るようになりました。ベラドンナは盲目の猫でしたが、他の感覚を使いながらまるで見えているように行動していたため、誰もベラドンナの目が見えていないことに気づきませんでした。

そんなベラドンナと何度も接しているうちに、フアンさんはベラドンナの目が見えていないことに気づきました。またベラドンナの体重が徐々に減り始めていることにも気づいたため、このままではベラドンナが危険だと感じ、地元の保護施設『リトル・ワンダラーズ・ニューヨーク』に助けを求めました。

「私達は連絡を受けるとすぐにベラドンナのところに向かいました。彼女は重度の貧血に苦しんでいましたが、すぐに室内生活に順応し、新しい毎日をスタートさせました」と保護施設のスタッフが言いました。

それから数週間後、事態が急激に悪化しました。もしベラドンナがあのまま路上で暮らしていたら、長くは生きられなかったことでしょう。「ベラドンナは急激に衰弱し始め、立つことができなくなり、食欲を失って、常に横になりながら過ごすようになりました。そのため獣医さんに診察してもらうと、彼女がFIP(猫伝染性腹膜炎。猫コロナウイルスの変異型FIPウイルスが原因で発症し、発症した猫のほとんどが死亡する致死性の高い病気)だと分かりました。」

保護施設のスタッフ達はベラドンナが可能な限り最高の人生を送れるように、自分達ができることの全てをやることを決心しました。そしてFIPと戦う猫達のコミュニティの助けを借りて、効果的な治療方法を見つけたのです。

翌日、ベラドンナの世話をしているスージーさんが、FIPの治療のための適切な薬を手に入れるために車を走らせました。

「ベラドンナの治療を始めると2日ほどで少し歩けるようになりました。また、より多くのご飯が食べられるようになり、身体にエネルギーが少しずつ戻ってきました。」

さらにベラドンナはバランスを取りながら立てるようになり、毛づくろいもできるようになって、体重が少しずつ増えていきました。そしてベラドンナがより強く、より健康になるにつれて、愛情が増していきました。

ほんの数日前までスージーさんはベラドンナと一緒に動物病院の床に座って、筋肉が落ちたベラドンナの身体を持ち上げながら何とかご飯を食べさせていました。しかし、今のベラドンナは身の回りを探索し、撫でられたり寄り添ったりすることができるようになり、たくさんのご飯が食べられるようになったのです。

ベラドンナは約10歳でいくつかの歯を失っていましたが、それがベラドンナの食欲を鈍らせることはありませんでした。また元気を取り戻していくにつれて、ベラドンナの足はさらに安定し、再び以前のように歩けるようになったのです。

ベラドンナは常に人間に注目されたいと思っていて、スージーさん達に呼ばれると、いつも声のする方へと向かって行きます。ベラドンナは頭を撫でられたり、のんびりと日光浴をするのが好きで、いつも安全な家の中で楽しい時間を過ごしているそうです。

「ベラドンナは私の声に反応し、手を叩く音などを聞いています。家猫としての人生を歩み始めた彼女の姿に、私は大きな幸せを感じています。」

「私はいつも目の見えないベラドンナが正確に身の回りの空間を把握していることに驚かされます。彼女は何かにぶつかったり、つまずいたりすることはありません。」

「ベラドンナは保護された時と比べると、完全に別猫のようになりました。今の彼女は非常に愛情豊かで、いつも気分良く過ごしています。彼女はお腹を撫でられることが大好きで、私がお腹を撫でると自分の頭を撫で始めます」とスージーさんが話してくれました。

こうしてずっと路上で生きてきたベラドンナは、優しい人達のおかげで新たな人生を歩み始めることができました。これからもベラドンナはスージーさん達の愛情を感じながら、幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:savingbelladonnalovemeow

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