『ベッカム』という名前の茶トラの猫が、生後約3ヶ月の時に世話が行き届いていない多頭飼いの家から助け出されました。ベッカムは幼い時からご飯と自分のスペースを確保するために戦わなければならず、安全な場所を強く望んでいました。
ベッカムは他の猫達と一緒に保護された後、保護施設『スパークル・キャット・レスキュー』の助けを借りて、養育主さんの家で過ごし始めました。ベッカムはフレンドリーな性格でしたが、大きな物音や動きの速いものにいつも驚いていて、新しい環境に慣れるまでには多くの時間と安心感が必要でした。
その後、ベッカムはゆっくりと、しかし確実に自分の殻を破っていって、たくさんの愛情を求めるようになっていきました。
「ベッカムは自分の周りにある全てのものに興味津々で、遊ぶことや探索することが大好きです。彼はオモチャを見つけるたびに夢中になって遊び始めます」と養育主さんが言いました。
ベッカムは生後4ヶ月ほどで里親さんを探し始めましたが、生涯の家を見つけるまでには予想していたよりもずっと長い時間がかかりました。「ベッカムは非常に内気な子猫だったため、なかなか里子に迎えようとする人が現れませんでした。」
ベッカムは自分に友好的ではない猫の前ではとても不安そうにしていましたが、人間と二人きりになると途端に気を引き始めて、嬉しそうに甘えるようになりました。
ベッカムは人間と一緒にいるのが大好きで、起きている間中ずっと誰かと一緒にいたいと思っています。ベッカムは猫用のオモチャを大切にしていますが、それ以上に人間と一緒に過ごす時間に大きな幸せを感じているのです。
そして月日は流れ、ベッカムは2歳の誕生日を迎えました。ベッカムは他の保護子猫達が生涯の家に旅立って行くのを何度も見送りながら、新しい訪問者がやって来るのを待って、訪問者が来るたびに良い印象を持ってもらおうと最善を尽くしました。
しかし、どういうわけかベッカムに興味を示す人はなかなか現れず、挨拶しても関心を示してくれることはほとんどありませんでした。
「ベッカムは2021年の夏に保護されて、生涯の家族との出会いを長い間待っています。彼はとても優しい性格で、いつもすぐに人間のところに向かっていきます。彼の一番の願いは、この先ずっと愛情を注いでくれる里親さんを見つけることです。」
そして2年以上の歳月を経て、保護施設のスタッフ全員が待ち望んでいた瞬間がついにやって来ました!
その日、ベッカムはいつものように保護施設を訪れた人達の姿を目にしましたが、今回は今までとは明らかに違っていました。施設を訪れた夫婦が真っ直ぐにベッカムの方へと向かってきたのです。そんな夫婦の姿を見たベッカムはとても嬉しくなって、すぐに夫婦の元へと近づいていきました。
ベッカムは椅子に飛び乗って夫婦の腕の中に飛び込むと、待望のハグを交わしました。ベッカムはまるで自分の番が来たことを知っているかのように、夢中になって夫婦の身体中に頭を擦りつけました。
そしてベッカムは夫婦から返ってきた愛情に大喜びして、出来る限り長く腕の中に留まり続けたのです。
その後、夫婦がベッカムをキャリーで運び出すと、ベッカムは既に出発の準備ができているかのように、戸惑うことなく車に乗り込みました。
ベッカムは848日間待った後、ついに夢の家族との出会いを果たし、生涯の家へと向かったのです。
ベッカムは現在、家の中の王様として、たくさんの注目を浴びながら幸せな毎日を送っています。ベッカムは暖かくて愛情いっぱいの家の中で、最高に幸せな時間を過ごしているのです(*´ω`*)
出典:sparklecatrescue/lovemeow