ずっと路上で暮らしていた猫の『マックス』は、ある日保護団体に助け出されて、コニー・リプトンさんに引き取られました。マックスはとても人間好きの性格で、たくさんの愛情を持った猫でした。
マックスの新しいお父さんはマカレスター大学(ミネソタ州セントポールにある私立大学)の教授で、自宅と大学は小さな通りで向かい合っていました。そのためマックスは自然と大学に通うようになり、学生達の人気者になったのです。
マックスは短期間でたくさんの友達を作りました。マックスはいつも芝生にいる学生の輪に入ったり、学生寮に入って楽しい時間を過ごしていました。さらにマックスは大学の構内にも現れて、学生達にいつも笑顔を届けていたそうです。
とってもフレンドリーなマックスは常にたくさんの愛情を求めていて、近くを歩いている人を見つけると、一直線に近づいて行って、「頭を撫でて」とおねだりを始めるそうです。
しかし、そんなマックスが入って来ると困る場所が1箇所だけありました。それは図書館です。図書館は狭い隙間や死角も多かったため、司書達はマックスが夜間に館内に閉じ込められてしまうのではないかと心配していました。また、司書の1人が重度の猫アレルギーを持っていたため、残念ながらマックスは図書館を利用することができなくなってしまったのです。
そんな中、3ヶ月の育児休暇から戻った司書のクリストファー・スカマーさんが、マックスの話を知りました。クリストファーさんの仕事の1つは掲示板に貼るポスターを作ることだったため、3歳の子供でも分かるように、マックスの入館制限についてのポスターを作成しました。
ポスターには次のようなことが書かれていました。
『猫を入れないでください。 彼の名前はマックス。マックスは素敵な猫です。 彼の飼い主さんは図書館にマックスが入ることを望んでいません。 私達も図書館にマックスが入ることを望んでいません。 マックスが図書館に入りたそうにしていても、マックスを図書館に入れないでください。』
そのポスターはネットの掲示板やTwitterで拡散されて、瞬く間に世界中に広まりました。しかし、そのことをマックスは知りませんでした。
そのポスターを見た人達はマックスを擁護し始めました。そして、「マックスはただ、本を楽しみたいだけだよ」、「マックスは悲しんでいます。小さな貸出カードを作って、マックスの首輪につけてあげたい」などのコメントが次々と書き込まれたのです。
また、何人かの人はマックス用の貸出カードを作ろうと動き始めました。
セブンスさんはマックス用の貸出カードを作成し、「マックスに文学を楽しむ権利を与えてください」というコメントと一緒にSNSに投稿しました。
また、絵本作家のレイチェル・スザンナさんも、マックスのために貸出カードを作成しました。
マックスはいつの間にか多くの人達に応援されていたのです。
その後、大学の敷地内で大規模な建物の建設が始まったため、マックスは大学への冒険を一時中止することになりました。でもマックスは外に行きたかったようで、いつも悲しそうな表情でじっと窓の外を眺めていたそうです。
コニーさん夫婦はマックスが悲しそうにしている姿を見ていられなかったため、1つのアイデアを考え出しました。建設中の建物にマックスが入るのを避けるため、マックスにハーネスをつけて、散歩に出かけることにしたのです。これでマックスは再び大学の友達に会いに行くことができるようになりました。
しかし、以前と比べて大学にいる時間はかなり減りました。そのためマックスに会えることを待ち望んでいた多くの学生や教職員が、マックスの家を訪ねて来るようになったのです。それはマックスにとって、とても嬉しいことでした。
また、マックスの話を聞いた地元の本屋さんが、好きな時に遊びに来てもいいよと招待してくれました。マックスは本屋さんに行くのが大好きになり、「私達がマックスにハーネスをつけると、嬉しそうに本屋さんに向かいます」とコニーさんが話してくれました。
そんな本好きのマックスは、多くの絵本作家さん達に素敵なインスピレーションを与えているそうです(*´ェ`*)
出典:cool_cat_max_and_gracie/lovemeow