数週間前、オーストラリアのブリスベンにある動物病院に、1匹の茶トラの子猫が運ばれてきました。獣医のジョージアさんは子猫の姿を見るとすぐに、目の発達異常である小眼球症を患っていることに気づきました。
ジョージアさんはすぐに地元の保護施設『ベスト・フレンズ・フィーラインズ』に連絡をして、子猫を養育することができるかを尋ねました。「私は迷わず『子猫を連れて行きます』と答えて、次の日に彼を迎えに行きました」と保護施設のニッキさんが言いました。
保護施設のスタッフ達に『アミーゴ』と名付けられた子猫は、新しい環境や人間のことを警戒し、物陰に隠れていました。しかし、静かで快適な環境の中で過ごすうちに、少しずつ人間のことを信頼するようになっていったのです。
アミーゴの片目は視力がなく、もう片方は完全に見えていないようでした。そんな状態のアミーゴでしたが、新しい環境に慣れてくると部屋の中を歩き回るようになり、頭の中に地図を作って、心ゆくまで室内生活を楽しむようになりました。またアミーゴは自分の障がいを全く気にしていないようでした。
「アミーゴはたくさんの愛情を吸収しながら徐々に自信が持てるようになっていき、人間が悪い生き物ではないことに気づきました。」
アミーゴは新しい環境に落ち着きましたが、一緒にいてくれる仲間を必要としていました。そこで保護猫の『スモーキー』をアミーゴに会わせてみると、すぐにスモーキーがアミーゴのことを我が子のように育て始めました。
スモーキーは3ヶ月ほど前に妊娠した状態で保護されて、保護施設で子猫達を出産しました。スモーキーは頭の上に屋根があり、常にご飯が食べられることにとても感謝していました。
その後、スモーキーのおかげですくすくと成長した子猫達は、無事に生涯の家を見つけて旅立って行きました。それから3週間の間、スモーキーは里親さんが現れるのをずっと待っていました。
そんな中、スモーキーは目の見ないアミーゴと出会ったのです。スモーキーはすぐにアミーゴに駆け寄って、たくさんの愛情を注ぎ始めました。
「スモーキーはアミーゴを新しい赤ちゃんとして迎え入れ、常に気を配りながら毛づくろいをするようになりました。」
スモーキーはアミーゴと一緒にベッドに入って、毎日アミーゴに寄り添いながら愛情を注いでいます。そんな温かいスモーキーのおかげで、アミーゴは寂しさを感じることが無くなりました。
「アミーゴは目に障がいを抱えているため壁や物にぶつかることがよくありますが、それが彼を動揺させることはありません。」
アミーゴはスモーキーや養育主さんからの温かいハグで、より自信を持って行動するようになり、さらに勇敢で冒険好きの子猫になりました。またいつもたくさんの愛情を吸収しているアミーゴは、スモーキーや養育主さんに寄り添いながらとろけていることがよくあるそうです。
今のアミーゴはたくさんの愛情ですくすくと成長を続け、自信たっぷりに部屋の中を駆け回っています。アミーゴはもう人間から遠ざかることはなく、みんなの注目を集めるために自らアピールし続けているのです。
これからもアミーゴはスモーキーや養育主さんに甘えながら、好奇心の赴くままに元気いっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:BestFriendsFelines/lovemeow