子猫の『ピップ』は母猫が嵐の直前に子猫達を移動させた時に置き去りにされてしまいました。
その後、優しい人達がピップを母猫と再会させましたが、母猫はピップを受け入れようとはしませんでした。そのためピップは養育ボランティアのジェニーさんの家に運ばれて、そこで新しい生活を始めました。
ピップは生後1週間で目が開き始めたばかりでした。幸いなことにピップの食欲は旺盛で、毎回哺乳瓶からたくさんのミルクを飲みました。
「ピップはいつも勢いよくミルクを飲んでいて、食後に柔らかいものをこねるのが大好きです。また彼は他の子猫よりも多く喉を鳴らしています」とジェニーさんが言いました。
さらにお喋り好きのピップは、食事の時間になると躊躇することなく大きな声でご飯を要求してきました。
美味しいご飯とたくさんの愛情で、ピップは元気に成長して、全身からエネルギーが溢れ出してきました。ピップが起きている時は毛布をこねたり、大きな音でゴロゴロと喉を鳴らしたり、会う人全てを魅了したりしながら過ごしているそうです。
「ピップはひとりだったため、寄り添ってくれる母親や兄弟を強く望んでいました。私は出来る限り彼に寄り添っていますが、まだまだ足りていないようです。」
ちょうどその頃ジェニーさんは、ピップと同じように置き去りにされた子猫がいるという知らせを受けました。「ある家族がその子猫を見つけて、地域のボランティアが動き始めました。」
ボランティア達はすぐにピップのことが頭に浮かんで、ジェニーさんのところに連絡してきました。話を聞いたジェニーさんは、躊躇することなく子猫を引き取ることに決めました。
「私は10年間養育活動を行っていますが、TNR活動(野良猫の不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す活動)をしている人達や養育ボランティア、動物達を輸送する人達や保護活動を行っている人達が協力し合って命を救っている姿にいつも驚かされています。」
ピップは『レイラ』と名付けられた保護子猫よりも1週間ほど年下でしたが、レイラよりも大きな身体をしていました。ふたりは出会ってすぐに意気投合して、まるで昔からの友達のように一緒に遊んだり寄り添ったりするようになりました。
それから1週間一緒に過ごしたふたりは、家の中の様々な場所でイタズラをするようになりましたが、レイラの方がより冒険好きでした。ピップはそんなレイラのおかげでより大胆になって、年上のレイラにリードされながら新しいことに次々と挑戦しました。
「レイラはピップよりも勇敢で常に動き回っています。そのため私はいつも注意深く彼女を見守らなければなりません。」
ふたりは居心地の良い昼寝場所がたくさんあるにもかかわらず、プリンターのそばのファイルフォルダーが気に入ったようで、その場所をベッド代わりにすることに決めたようです。最初はそこにレイラが滑り込んで、すぐにピップがその上に重なりました。
「私はふたりがくつろげるように、家の中に柔らかくて快適な場所をたくさん用意しています。でも子猫達はファイルフォルダーがとても好きになったようです。」
ふたりは先住猫や他の保護猫に出会えたことが嬉しくて、ソファの上で行われている抱っこパーティーに参加しました。「どうやらピップとレイラは茶トラの保護猫の『チージー』のことがとても気に入ったようです」とジェニーさんが話してくれました。
ふたりはチージーを歓迎して、毎回お昼寝に誘っているそうです。
こうしてお互いに独りぼっちで保護されたピップとレイラは、ジェニーさんの元で結ばれて、素晴らしい仲間と出会うことができました。ピップは相変わらずお喋り好きで、いつも愛らしい声で部屋中を満たしているそうです(*´ェ`*)
This post was published on 2025/01/18