猫の『ハーマン』は小脳性発育不全のため、歩こうとすると身体がグラグラと揺れて上手く歩くことができません。またアゴが歪んでいるため、下の牙がいつも口の外に出ています。さらに目も悪く、視野の一部が見えていない可能性があるそうです。
しかし、ハーマンはいつも微笑んでいて、幸せそうに喉を鳴らし続けているのです。
数年前、ハーマンの元の飼い主は「彼の世話に疲れた」と言って、地元の保護団体にハーマンを引き渡しました。その日以来、ハーマンの元には約2年間も引き取り手が現れませんでした。
その後、ハーマンのことを知った保護施設『ミロズ・サンクチュアリ』のスタッフ達がハーマンに会いに行って、そのまま施設へと連れて帰りました。
「ハーマンは現在、私達の施設で一緒に暮らしています」とスタッフのパッシーさんが言いました。
ハーマンは施設の快適な暮らしに安心したようで、すぐに落ち着きを取り戻しました。ハーマンは毎朝必ず仰向けになって、スタッフ全員に挨拶をしているそうです。
「ハーマンはお腹を撫でられるのが気に入ったようで、いつもマッサージをしてもらうために仰向けになります。」
それから1年後、スタッフがハーマンのお腹と頭をいつものように撫でていると、ハーマンが片手を伸ばして、肘を曲げ始めました。さらにもう一方の手も同じように動かし始めたのです。
「ハーマンはゆっくりとその動きを繰り返しました。その様子をしばらく見ていた私は、ハーマンが『フミフミ』していることに気づきました。私達は彼と長い間一緒にいますが、この動きをしたのはその時が初めてでした。彼は身体を動かすのが大変だったため、その動きをするために大きな努力をしていることが分かりました。私はその動きを見た瞬間に心が強く揺さぶられました。」
ハーマンの変化はスタッフ全員に大きな喜びを与えました。
「ハーマンには限界がありません。彼は私達に愛情と強さと人生の楽しみ方を教えてくれました。彼の外見は弱々しく見える時もありますが、実際には非常に強い意志の持ち主で、勇ましくて、信じられないほどの優しさで溢れています。」
ハーマンは施設で暮らし始めてから、身体に障がいのある数匹の猫と出会いました。
「ハーマンが施設に来た6ヶ月後に、私達は彼と同じ小脳性発育不全の猫の『ベア』を引き取りました。彼はすぐにベアのお兄さんになって子守りを始めました。」
ハーマンはその甘い性格でスタッフ全員の心を魅了しました。ハーマンの容姿は他の猫と少し違っていて身体もグラグラと揺れていますが、ハーマンは自分の人生を愛していて、施設に来て以来、喉を鳴らさなかった日は1日もないそうです。
「一部の人達はハーマンを見て『醜い』、『不気味』と言いました。私達は彼が完璧で、とても美しいと思います。彼は素晴らしい性格の持ち主で、生きていることが大好きです。」
こちらはハーマンがお腹を撫でられている時の様子です。お腹を撫でられるのが大好きなハーマンですが、あまり多く撫でられることは望んでいないようです♪ (動画)
こちらはハーマンとベアの様子です。ふたりの愛らしい姿にスタッフ達はいつも幸せを感じているそうです。 (動画)
こうして引き取り手が現れなかったハーマンは、優しい人達のおかげで生涯の家を見つけることができました。ハーマンの幸せそうな姿を見ていると、自然と心がポカポカしてきますね(*´ω`*)
出典:milos_sanctuary/lovemeow
This post was published on 2024/11/02