猫の『ダリウス』はある通行人に発見されるまでずっと路上で暮らしていました。ダリウスは目と首に怪我を負っていて、ひどい状態になっていました。
そんなダリウスに関する投稿を見つけた保護活動を行っている人が、ダリウスを安全な場所まで連れて行こうとしましたが、その時には既にダリウスはいなくなっていて、どこにも姿はありませんでした。
しかし、それからしばらく経った冬の終わりのこと、ダリウスは発見された場所に再び戻ってきて、ある家の庭のデッキに姿を現しました。ダリウスはひどい空腹に苦しんでいて、今の生活を変えたいと思っていました。
ダリウスは家の住人が持ってきた食べ物を物凄い勢いで食べると、家の中を覗いてきて、室内生活に強い興味を示しました。
そんなダリウスの話を聞いた保護施設『シャトンズ・オルフランズ・モントリオール』のスタッフ達は、デッキのそばに捕獲器を設置して、ダリウスが戻ってくるのを待ちました。そしてお腹を空かせたダリウスが現れると、捕獲器の中の食べ物へと一直線に向かって行ったのです。
「ダリウスの身体の状態を考えると、彼がこのまま外で暮らしていたら長くは持たなかったことでしょう」とスタッフが言いました。
「ダリウスはついに路上での生活に別れを告げて、初めて安全な家の中で快適で暖かい夜を過ごしました。」
ダリウスは多くの健康問題を抱えていて、保護されてすぐにノミやお腹の虫、耳の感染症の治療を受けました。さらにダリウスには目の手術と歯の治療が必要でした。
推定年齢が9歳のダリウスは、優しい人達のおかげで確実に快方へと向かっていきました。
「随分と回復したダリウスは、体力を取り戻すために養育主さんの家に行きました。そしてそれから3日ほどで、彼の優しい一面が現れ始めました。」
養育主さんに耳の掃除やケアをしてもらったダリウスは、すぐに撫でられることが大好きな猫へと変わりました。
居心地の良い部屋と豊富な食べ物のおかげで、ダリウスは自分の殻から出てきて、養育主さんに強い興味を持ちました。ダリウスは養育主さんの一日の様子を観察して、養育主さんに撫でられるとゴロゴロと喉を鳴らしました。
「多指症で大きな足を持っているダリウスは、無事に目と歯の手術を終わらせることができました。今の彼は痛みに耐えながら食事をする必要はありません。」
ダリウスの状況は日に日に良くなっているように思われましたが、一夜にして容態が悪化し、予期せぬ方向へと進み始めました。しかし、獣医さん達の適切な治療によって何とか容態が安定し、合併症の治療も受けることができました。
「病院で2日間過ごした後、ダリウスは元気を取り戻して、再び自分でご飯が食べられるようになりました。」
新しい生活習慣と食事によって、ダリウスの血糖値は正常な値に戻り、全身の毛が柔らかくなって輝きを取り戻しました。「ダリウスはこれまでに多くの試練と戦ってきましたが、今は新しい生活を楽しんでいて、愛らしい個性を輝かせています。」
「ダリウスは私の腕に寄り添いながら、ゴロゴロと喉を鳴らして顔をすり付けるのが好きです。彼はいつも愛情を求めていて、私が抱きしめるとすぐ喉を鳴らし始めます」と養育主さんが言いました。
「ダリウスは毎晩、私達と一緒にベッドで眠って、赤ちゃんのように抱っこして欲しいとおねだりしてきます。彼は優しい心の持ち主で、いつも私達の心を溶かしています。」
「今のダリウスは明日のことを気にすることなく、毎日暖かい窓辺で日光浴を楽しみながら室内生活を満喫しています。彼は年齢を重ねた猫ですが、まだ心の中は子猫のようで、誰かの気を引きたい時は小さな声でニャーと鳴いてきます。」
またお気に入りの羽のオモチャが出てくると、生き生きしながら飛びかかって、若々しいエネルギーで走り回ります。「ダリウスはとても遊び好きで、私達と一緒に長い時間遊ぶのが好きです。」
「今のダリウスは驚くほど甘えん坊で、これまでずっと野外でひとりで暮らしていたことが信じられません。彼はいつでも抱きしめられる準備ができていて、いつも私達のそばにいたいと思っています」と養育主さんが話してくれました。
そんな人間好きのダリウスが気持ちを落ち着かせたい時は、養育主さんに寄りかかって腕の中に顔をうずめます。するとすぐに元通りになって、リラックスした姿を見せてくれるのです。
こうして何年も路上を彷徨い歩いていたダリウスは、優しい人達のおかげで新しい人生を歩み始めることができました。今のダリウスは常に甘やかされていて、安全な家の中で幸せいっぱいの毎日を送っているのです。
出典:comrescuemontreal/lovemeow
This post was published on 2024/10/08