ある日、野外で迷子になっていた幼い子猫が、大きな声でお母さんを探して鳴いていました。そんな子猫の声を聞いた女性がすぐに駆けつけて、地元の保護施設へと連れて行きました。
そこで『ピーチ』と名付けられた子猫は、安全な環境に安心すると、絶え間なく喉をゴロゴロと鳴らすようになりました。そんなピーチを養育ボランティアさんが自宅に連れて帰って、24時間体制でミルクを飲ませ始めました。
そして生後5週を迎えたピーチは、一緒に冒険することのできる友達を強く望み始めました。その姿を見た保護施設のスタッフ達は、ピーチにピッタリの猫の親子がいることを知っていました。
ちょうどこの頃、別の養育主さんの家で母猫の『クレメンタイン』と子猫の『ペルシ』が過ごしていました。ペルシはクレメンタインが出産した子猫達の中で唯一生き残った子猫で、クレメンタインは全ての愛情をペルシに注いでいました。
クレメンタインはペルシが鳴き声を上げるたびに返事を返して、常に自分の存在をペルシに伝えていました。
生後2週間のペルシは体重が450g近くあり、同じ年齢の子猫達の平均的な体重を上回っていました。ペルシはクレメンタインにつきっきりで世話をされていたため、いつも清潔な身体をしていて、飛躍的に成長を続けていました。
「私はクレメンタインが前足でペルシを優しく包み込みながら、愛情いっぱいに毛づくろいしている姿が大好きです」と養育主のアンジェラさんが言いました。
その後、ペルシは生後4週間で離乳食を試し始めました。また足の使い方を理解すると、クレメンタインに見守られながら、ベビーサークルの外を探索するようになりました。
そんな親子の元にピーチがやって来ると、ピーチの鳴き声に反応したクレメンタインが慌てて駆け寄りました。「クレメンタインはすぐにピーチを自分の子供として受け入れて、母乳を飲むことを許しました。」
またクレメンタインがピーチを抱きしめながら毛づくろいを始めると、ピーチは一瞬でクレメンタインに溶け込みました。
一方のペルシは自分と同じくらいの年齢の友達ができて大喜びしました。そして、ふたりはまるで今までずっと一緒にいたかのように、一瞬のうちに意気投合したのです。
子猫達はクレメンタインのお腹に一緒に寄り添いながら、嬉しそうにミルクを飲むようになりました。「ピーチはお母さんと兄弟ができたことに大きな幸せを感じていました。」
ペルシはピーチよりも1週間ほど年下でしたが、既にピーチの大きさを超えていました。ペルシはピーチがオモチャで遊ぶ姿を目にすると、真似をしながら遊ぶようになりました。またペルシはどこでもピーチの後を追って、レスリングの練習をしたり、ピーチのやっていることを観察したりしていました。
さらに子猫達は一緒にトイレの使い方を覚えて、お皿からご飯を食べられるようになりました。
「ふたりはとっても可愛いコンビです。ふたりは昼寝をする時も、遊ぶ時も、食事をする時も、全て一緒に行います。ふたりは出会った瞬間に兄弟になりました」とアンジェラさんが話してくれました。
そんな子猫達のことをクレメンタインはいつも誇りに思っていて、子猫達と毎日たくさんの会話をして、全ての愛情を注ぎ続けているのです。
こうしてクレメンタインとペルシは迷子だったピーチを温かく迎え入れて、完璧に融合した家族になりました。これからも3匹はお互いに愛情を注ぎ合いながら、幸せいっぱいの毎日を送っていくことでしょう。
出典:fosteringlove.pdx/lovemeow
This post was published on 2024/04/30