ある日、ニューヨークのブルックリンを拠点に活動している保護団体『フラットブッシュ・キャッツ』に、助けが必要な猫の親子についての連絡が入りました。
親子は母猫と6匹の子猫達で、デッキの下に隠れていたところを発見されました。子猫達のうちの何匹かは眼感染症を患っていて、一刻も早く獣医さんの治療を受ける必要がありました。
保護団体の創設者のウィル・ツバイガルトさんは、親子全員を安全に保護するために、1〜2日かけて救出する計画を立てました。しかし、ウィルさんが現場に到着するとすぐにその計画が大きく変わったのです。
ウィルさんと他のスタッフ達が現場で話をしていると、デッキの下からキジトラ子猫が頭を突き出しました。そして数分後にはデッキの下から飛び出してきて、ウィルさん達のところに近づいてきました。
「私達は最初、捕獲器の中にご飯を置いて、時間をかけて親子を捕まえようと考えていました。しかし、幸いなことにキジトラ子猫の後を追って、親子全員が姿を現しました。どうやらキジトラ子猫は、兄弟の中のリーダー的な存在だったようです」とウィルさんが言いました。
「私達はなるべく早く子猫達の治療を行いたかったため、あまり時間をかけずに保護することを心がけました。」
ウィルさん達は次々と子猫達を保護して、柔らかい毛布を敷いたケージの中へと入れていきました。そして最後は捕獲器で母猫を保護することに成功したのです。
こうして7匹の親子はその日の夜を外で過ごすことなく、路上での生活から卒業することができたのです。
子猫達の中には明らかに身体の小さな子猫もいたため、ウィルさん達は母猫のミルク以外にも栄養のあるものを食べさせ始めました。ちなみに一番小さな子猫の体重は、一番大きな子猫の半分ほどしかなかったそうです。
保護された親子は現在、室内飼いの猫として充実した毎日を送っています。母猫は既に人間への警戒心を解いていて、いつもリラックスしながら過ごしているそうです。
また母猫は徐々に子猫達に固形食の食べ方を教えていて、家の中の様々な場所で自由に遊ばせているそうです。
こうして野外での生活の中で病気を患ってしまった子猫達は、手遅れになる前に助け出されて、命を繋ぐことができました。症状の重かった2匹の子猫は今後も視力が回復しない可能性がありますが、驚くほどの適応力を持っていて、まるで目が見えているかのように何でもすることができるそうです。
「2匹の子猫は目に障がいを抱えていますが、兄弟の助けも借りながら毎日を元気に過ごしています」とウィルさんが話してくれました。
ウィルさん達のおかげで室内生活を始めた親子は、これから先もずっと空腹に耐えることも避難場所を探す必要もありません。これからは温かい家族にたくさんの愛情を注がれながら、幸せな毎日を送っていくことでしょう。
出典:flatbushcatsTNR/lovemeow
This post was published on 2024/04/28