ある寒い日のこと、2歳の猫の『トビー』が食べ物と暖かい場所を求めて路上を彷徨っているうちに、一軒の家の庭に辿り着きました。そして、窓の外から数匹の家猫が幸せそうにしている姿を見て、玄関先で「ボクも入れて」と鳴き始めたのです。
その声に気づいた住人のロンダ・アンデルセンさんが玄関を開けると、トビーはすぐに家の中へと入ってきました。
「トビーは明らかに誰かに世話をされていました。彼は躊躇することなく家の中に入ってきて、私が用意した猫缶を物凄い勢いで食べ始めました」とロンダさんが言いました。
外での生活に慣れていなかったためか、トビーはほとんどご飯を食べることができなかったようで、驚くほど痩せ細っていました。
家の中でお腹を満たしたトビーは、さっそくロンダさんの膝の上で丸くなって、嬉しそうに喉を鳴らし始めました。それはまるで「ありがとう!」と言っているかのようでした。
ロンダさんはガレージにトビー用の家を用意して、体調を回復させるために世話を始めました。またロンダさんは飼い主さんがトビーを探しているかもしれないと思い、近所の人達に聞いて回ったり、保護施設に迷子の猫についての情報を尋ねたりしました。
飼い主さんを探している間中ずっとトビーの世話を続けたロンダさんは、気づくとトビーに心を奪われていました。そして、いつの間にかトビーのことを手放せなくなっていたのです。
結局、飼い主さんが現れなかったため、ロンダさんはトビーを正式に家族の一員として迎えることに決めました。
「トビーは家の中ですっかり甘えん坊になりました。私達の家族になったトビーは、7匹の猫達と一緒に楽しそうに過ごしています。」
家族に迎えられて以来、トビーはロンダさんの膝の上で何時間も過ごすようになりました。
トビーは愛されていることが嬉しくて、毎日オモチャなどの贈り物をロンダさんのところに持ってきます。そして、どのくらい自分が満足しているかをロンダさんに伝えて、朝になると幸せそうに挨拶をしてくるそうです。
またロンダさんが保護子猫を自宅に連れて帰ってくるたびに、トビーが子育ての手伝いを始めました。「黒猫のペプシが家に来た時も、トビーが世話を引き受けてくれました。それ以来、ふたりは最高の友達になりました」とロンダさんが嬉しそうに話してくれました。
そして9年後。
トビーは窓の外を見るのが大好きで、いつも興味深そうに外を眺めています。でも決して外に出ようとはしません。トビーは家の中にいることが一番幸せなことだと分かっているのです。
こうして迷子だったトビーは温かい家に辿り着くことができました。あの日、ロンダさんが玄関を開けてくれた時、トビーはどれほど嬉しかったことでしょう。
あれから年齢を重ねて11歳になったトビーですが、まだまだ元気いっぱいです。これからもトビーは子育てのお手伝いをしながら、ロンダさんと一緒に幸せな毎日を送っていくことでしょう(*´ェ`*)
出典:Rhonda Andersen/lovemeow
This post was published on 2024/02/01